【あんスタ】吸血鬼の妹は狼に恋をする２ (ページ17)

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時計を見ると6時。あぁ、あっという間だったな。今日からまた両親のいない生活に戻る。

私はベッドから立ち上がりリビングへ向かう。朝ごはんを作らなければいけない。

『あ…何も無い』

しまった、昨日の空港の帰りに何か買ってこれば良かった。冷蔵庫の中は空っぽ。

今から近くのコンビニにパンでも買いに行こう。日傘させば大丈夫だ。

『…いってきます』

さぁそうと決まれば早速行動に移す。コンビニまでの距離は約３００ｍ、数分で行ける距離だ。

2人の好みはよく分からない。凛月兄は炭酸飲料、零兄はハムでいいだろう。

コンビニに到着。中に入ると眠たそうな店員さんが。お疲れ様です。

ここのコンビニは夢ノ咲の近所だからだろうか。夢ノ咲のアイドルグッズが売っている。

「ありがとうございました～…」

とりあえずハムカツ、メロンパン、焼きそばパン、トマトジュース×3を買って家に戻ることに。

「ねぇねぇお嬢ちゃん、こんな朝早くに1人？」

コンビニを出るとさっきまで無かった車から男の人が出てきて私に話しかけた。めんどくさいのに捕まってしまった。

「無視は無いんじゃない？」

『ごめんなさい、急いでるんです』

こんな朝早くに1人で出歩くなんて馬鹿だった。

「いいじゃん、お兄さんと遊ぼうよ」

『…通報しますよ？』

明らかにお兄さんって年齢じゃない。どちらかと言うとおじさんだ。

「大人しくしろ」

『…っ』

しまった、手を掴まれた。女子高生が振りほどくには強すぎる力だ。このままだと車に乗せられる。

「いいか、今叫んだりしたらお前の命はないぞ。大人しくついてくるんだな」

『…』

まぁ普通の女子高生なら、だけど。

「うおっ…」

『相手を間違えましたね。お兄さん？』

勢いよく手を振りほどくと“自称“お兄さんは驚いた顔でこちらを見てきた。

『私はお兄さんが思ってるほど可愛い可愛い女子高生じゃないんです』

「ガ、ガキが偉そうなこと言ってんじゃねぇっ」

『ガキはどちらでしょうね？少なくとも…私は貴方より賢いと思いますが』

早く逃げなくては。

「おい」

「は？誰だお前」

『…！？』

聞き覚えのある声。

聞きたかった声だが聞きたくなかった声。

どうして彼がここにいるのだろうか。

「ほら、逃げるぞ」

『あ、はい』

「おい、こらっ待てっ！」