44 返事 ページ44
『失礼します、朔間です』
生徒会室の扉をノックして中に入る。
「やぁ、待っていたよ」
中にいたのは天祥院英智、敬人兄、真緒くん、講堂前にいた可愛らしい男の子。今日は休日のはずだが。
「A！？お前なんで…」
『あ…真緒くん。ちょっと用事が』
そう言って私は天祥院英智の元に歩いていく。可愛らしい男の子は私のことを不思議そうに見ていた。
「…早速だけど返事を聞かせてもらおうか、Aちゃん」
『はい』
生徒会室が静かになる。
『…生徒会長、今回の件お引き受けします』
「ふふ、君ならそう言うと思ったよ」
ニッコリとしながら天祥院英智は私にそう言った。想定内だ、とでも言いそうだ。
「助かる、A。これからよろしく頼むぞ」
『うん。やるからには全力を尽くすつもり』
「え、会長！その子が普通科の！？」
可愛らしい男の子が大きな声で彼にそう言った。
「落ち着いて、桃李。そうだよ、この子が普通科の朔間Aちゃん」
「あの厄介な朔間兄弟の妹だ」
厄介…まぁ否定はしない。
『はじめまして、Aです。えっと…姫宮くん？』
「そうだよ、僕の名前は姫宮桃李。よろしくね、A」
姫宮桃李くん。名前まで可愛い。
「これからのことなんだけど…してもらいたいことについては朔間くん達を通して伝えてもいいかな？」
『…私的には敬人兄から直接メールで伝えてくれた方が』
「えっ敬人、Aちゃんとメールしてるの？」
驚いた顔をする天祥院英智。そこなのか。
「あぁ、去年交換したんだ。いや、させられた…の方が正しいか」
『…あはは、そうですね』
「うん、それじゃあ敬人から伝えてもらうようにするよ」
一安心だ。零兄と凛月兄にはあんまりお世話になりたくない。あとは…
『天祥院先輩、あの…このこと、私の担任には黙っておいてください。お願いします』
「もちろん」
ちょっと信じ難いが大丈夫だろう。
『じゃあ敬人兄、迷惑かもしれないけど…よろしくね？』
「あぁ」
そう言うと私は生徒会室を出ることにした。
『では失礼しました』
「あれ？もう帰るのかい？」
『はい』
早くここから出よう。仕事の邪魔は良くない。
「ねぇ…Aちゃん」
『…はい？』
扉を開けようとすると呼び止められた。
「君は本当に…覚えてない？」
なんのことだろうか。
『覚えてない…とは？』
「ううん、何も無いよ」
変な人だ。
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冬乃(プロフ) - よっ！ (2018年8月30日 18時) (
レス) id: db15aabe3a (このIDを非表示/違反報告)
雨音(プロフ) - 面白い作品で好きです！あと、12話で英智さんのあだ名がエッちゃんじゃなくてセッちゃんになってますよ? (2018年8月19日 21時) (レス) id: 23ae3ada38 (このIDを非表示/違反報告)
リーリエ - とっても面白いです！続き楽しみにしてます♪ (2018年8月15日 17時) (レス) id: e54f7d496b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りんごあめ | 作成日時：2018年8月2日 0時
