邪神の娘【オリキャラ】 (ページ14)

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祈りページ14

「お前がビビってちゃ前に進めないだろ」

…誰？
知らない、誰か男の人の声。
後ろから…？

振り返れば、そこにあの声の持ち主と思われる男の人がいた。

「誰…」

「あの祈りを聞いた神様」

そう適当に答えると…

「あいつは、泣いて苦しみながらあそこにいる。お前が助けなきゃ俺が行く。でも…お前じゃなきゃあいつは救えねーだろ」

…

「辛さなんて比べられないんだ。それは人それぞれ、基準が違うから。どちらが辛い、なんてことはない」

……あぁ、そうか…

足が軽くなった
…行ける

「まだ間に合う」

ありがとう

ようやく足を踏み出せた。
行ける、走れる。

私は走り出した。
「まだ間に合う」
その言葉を信じて

だけど…

間に合う、はずがなかった

そこに立っていたのは返り血に塗れ、狂気の笑みを浮かべ、涙を流す殺人鬼の姿があった。

☆ ☆ ☆
？？side

とはいえ…間に合うかどうかはギリギリだった

彼女は笑いながら、苦しみながら殺していた。
危なっかしい手つきで、自分を殺めてしまうかもしれない不安定さを持ち合わせていながら…何かを求めて殺戮をしていたようだった。

止めようと思った。
でも、俺が止めればあの子は永遠に救われないだろう。
そう思った時、山の中で一人の女性を見つけた。
この子の関係者だろう、そう直感した。

だから声をかけた。
涙を零す女性に。

何かを怖がっていた。
あの子を助けたがっていた。

だから、俺が勇気付けてやればよかった。

結果としてそれはうまくいった。

だけど、もう多分間に合わない。

彼女は、間に合わなかったことを自分のせいと責めるだろうか。

あの子よりも。

彼女が、一番壊れてしまいそうだった。