2人ぼっちの僕等 ページ20
―side宗
何故、あの時【ごめん】って言えなかったんだろう…いや、あの時は頭に血がのぼりすぎて、冷静じゃなかった
宗「…お前が居なくなったら、また独りぼっち…」
そう、ランも僕も独りぼっちだったんだ
いや正確に言うとランは本当の意味での独りぼっちだったんだ
ランには両親が居なかった
どこで産まれたのかも知らない
ランという名前しかわからない
使用人としての学校に居たんだ
そこの理事長に拾われた
そして父さんと母さんがランを受け入れた
僕は昔、ランが嫌いだった
家族でもない奴が、父さんと母さんに愛されていて嫌だった
でも、ランは愛されていたのに笑う事はなかった。泣く事もなかった。僕は笑うし泣きもした。ランはそれをしなかった。何か欲しいものはないかと聞かれても『特にありません。お気持ちだけで十二分嬉しいです。』と答えた。欲がなかった。小学校を一緒の学校に入れさせられた。
ランは独りぼっちだった。僕自身嫌ってたし、僕に気がある奴にイジメられていた。休み時間は本を読んでいた。
でも、ランはただ、平然とそこに座って授業を受けた。
小学校4年の時に、僕がイジメの対象になった。僕は外遊びより中で裁縫する方が好きだったからだ。クラスメートの男子が僕を襲ってきた。僕は目を閉じた。痛みはなかった。何故ならランが代わりに殴られていた…頭から血を出し、目の前で倒れていた。気を失う前にランが『宗様、ご無事でなによりです。』と言って気を失った。
僕は、大泣きした。僕だけが気づいてなかった。ランは僕を守ってきた。だから独りぼっちだった。僕は何も知らず悠々と暮らしてきた。ボロボロで帰ってきて母さんが何があったと聞いても『何もありません。心配は御無用です。』と言っていた。あれは多分、クラスメートや先輩から受けた傷だったんだ。
僕は馬鹿なんだ。何かがないと気づけないのだ。
それから僕らはハブられて者同士、2人ぼっちで生きてきた。
ランさえ隣に居れば、怖くなくなった。
僕らは2人ぼっち
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作者名:ペテン師 | 作成日時:2016年7月16日 21時