何度でも (ページ23)

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「っ、あ"、！」

Aは、頭の痛みに声にならない声をあげた。

視界に入ってきたのは緑の閃光ではなく、真っ白な高い天井。医務室だった。

「A！よかった、目が覚めたのね」

「…ハーマイオニー」

痛む頭を押さえながら体を起こすと、ハーマイオニーとハリーが立ち、ロンがベッドに横たわっているのを確認できた。

「あっ、ブラックとルーピン先生は？どうなった？」

「ルーピンは治療中」

ロンは奥のパーテンションを見やる。
怪我の具合はさておき、生きていることに安堵し、Aは頷いた。

「…シリウスは、無事だよ。吸魂鬼に引き渡される予定だったけど…うまく逃した」

ハリーは声を顰めてそう言った。

「は、…逃した？」

「ちょっと、声が大きいわ」

「や、え、どうやって？」

「内緒よ」

「そこまで言って教えてくれないの？」

ハリーとハーマイオニーはにこにこと顔を見合わせる。かわいいな。

「でも…よかった…」

ブラックは生きてる。ルーピンも生きてる。

「うん」

ハリーがにこっと笑う。
それがジェームズとリリーにそっくりで、Aはなんだか泣きそうだった。

2人も、死んでほしくなかったや。