何度でも (ページ12)

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「ブラック…？」

まさか、そんな、どうして。

周囲にいた生徒たちはざわつく。だから、Aの呟きは自然に紛れた。

ダンブルドアの指示により、生徒は大広間へと戻った。教員や主席のパーシー、監督生が指揮を取っている。

Aは大広間への流れに逆らい、マクゴナガルに声をかけた。

「マクゴナガル先生！あの、ルーピン、先生はどちらにいらっしゃいますか？」

「ルーピン先生は今夜お休みなさっています」

「こんなときにお休みですか？どうして」

「言伝ならお預かりしますよ」

マクゴナガルは、答えにならない返事をした。こうなれば、彼女が理由を明かしてくれることはないだろう。Aは早々に諦めた。

まさか、自分がミシェルであるという事実を明かすわけにも、自分はブラックを信じているのだと伝えるわけにもいかない。
どうしても、自分の口から伝える必要があった。

「…いえ。大丈夫です。お心遣いありがとうございます」

Aは頭を下げ、口角を上げた。

「さあ、貴方も大広間に行きなさい、ミス・リベラ」

「はい」

マクゴナガルに促され、Aも流れに沿って大広間はと足を進める。先程まで一緒にいたシェーマスたちは先に行ってしまったから、見知らぬ他寮の上級生に押されながら、ただ、彼のことだけを考えていた。

どうやってホグワーツに？一体何のため？貴方を陥れてアズカバン行きにさせたのは誰？貴方は無実なんでしょう？…私、あなたのこと何も知らないよ。