【文スト】月下の桜は今日も微笑む

11枚目 ページ13

((太宰side))


何時もより、少し早く目が覚めたみたいだ。
さっきから耳元で桜がぶつぶつと独り言を云っている。ひとの枕元で何をしてるんだか。


其処で私はふっと思いついた。布団の中に引きずり込んでやろう、と。




我ながらなんて迷案なのだ。





桜が油断して引きずり込まれるなんてことあったら
ヨコハマは一面空から降ってきた槍だらけになるだろう。


まぁ、やるだけやってみよう…
…………うん、驚いた。こんなにもあっさりと布団の中に入って呉れるとは。


一寸悪戯の心算で耳元で囁いてみた。するとなんということだ。
彼女は私の腕の中で顔を真っ赤に染めているではないか。


少し、困惑した。


『あ、あの太宰さん。か、勘弁してください…(このままだと作者が保たない…！)』


こんなにも可愛らしい彼女をこんなところで離せる訳がないじゃあないか。

仕返しだよ、と云いながらふぅっと彼女の耳に息を吹きかけた。
『っ！？(やばい一寸待って私の中の天使ランキングがすごくガタついている)』


案の定、彼女は耳まで真っ赤になった。
こんなに赤くなっちゃって。まるで林檎のようだ。食べてしまおうかな…


『だ、太宰さん…っ』
『この小説、いきなりこんなに甘くしたら駄目ですよ！流石に！シリアス続いてたのに！』


うん？？


『それにこの小説、夢小説なんですか！？だったら私断固として拒否しますよ！紹介で書いたし
(桜ちゃんと太宰さんの仲がいい説)』


「え？」『はい？』


『「え？？」』


取り敢えず＿＿＿＿混沌。



今迄の良い雰囲気を返してくれないかな。

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