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翌日から絞った容疑者から決定的な証拠を見つけられないか考えていた。
「街歩いていて巨人化してくれれば現行犯なんだけどなー。」
「…する訳ないだろ。」
隣に座っていたエルヴィンに頭をコツンと叩かれた。
「痛ぁ!…でもエレンが王都に連れていかれる前に決着をつけたいね。」
「ああ。私も団長を剥奪される可能性も十分にある。」
「それは困るな…じゃあ王都でも爆破させる?」
「馬鹿か。」
またコツンと頭を叩かれた。
「痛ぁ!私が馬鹿になるでしょ!」
こんちくしょう
エルヴィンの腹に一発パンチを入れてやろうかと拳を固めた。
コンコン
ドアをちらっと見て先ほどまでの空気が消え仕事の空気に一瞬で戻った。
「どうぞー」
「失礼します。」と言って入ってきたのはアルミン。
「エルヴィン団長。Aさん。少しお話よろしいですか?」
「うん。」
「ああ。」
ソファーに向かい合って座った。
「で、話というのは?」
エルヴィンが尋ねるとアルミンが背を伸ばして話始めた。
「はい。単刀直入ですが僕は女型の巨人の人物に心当たりがあります。」
「ほう…。」
「…本当は仲間を疑いたくないです。でもその人物は一連の事件に不可解な行動が多く、僕の判断で勝手に接触して取返しのつかない事になってしまう前にお二人に相談しようと思って来ました。ただ、まだ疑いの段階です。僕の思い違いかもしれません。」
へえ…アルミンは仲間でも客観的な目線で疑う事ができる…エルヴィンみたい。
でもちょっと手が震えている。
頭に心が追いついていないって感じ。
「その人物は?」
「僕たちの同期で今は憲兵にいる____アニ・レオンハート。」
手に持っていた容疑者リストをめくった。
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作者名:じゅく子 | 作成日時:2019年8月14日 21時