不良少女は保護対象 【名探偵コナン】【降谷零】

八日目 ページ8

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「お父様には連絡がつかなかったから、代わりに秘書の方に大雑把な内容だけ伝えておいた。明日はこっぴどく叱られるだろうな」



会議に出向いていてここにはいない、と言われてしまえば仕方がない。自分が第一秘書だと言い張る女に大まかなことのみ伝えて電話を切った。




「そう……ならもう帰っていい？」

「もう二度としないと約束できるならな」

「は？無理に決まってんじゃん」




何当たり前のことを、と言いたげな彼女に思わずため息が出る。何故ここまで良い環境で育って反抗的になるのだか理解ができない。彼女は一体何に対して反抗しているのか、俺には見当もつかないな。





「……私が深夜に外に出たところで誰にも何も迷惑なんてかけてない!!なのになんでそんなところまで規制されなきゃなんないわけ!?」

「もしそれで誘拐でもされたらどうするんだ!!親にも警察にもお世話になることになるんだぞ!!」

「…………そんときは見放してくれていいよ。私の自業自得だし、助けてくれなんて頼んでない」




彼女の目は本気だった。自分が死ぬことに関してためらいがない、酷く恐ろしい目





「……そういえば、これ君の携帯。俺の番号も入れたから、いつでもかけてくるといいよ。話ならいくらでも聞いてやるさ」

「……いつのまに。
申し訳ないけど相談することなんてないよ」

「なんでもいいさ、今日あったことでも楽しかったことでもなんでも。使わなくてもいいから持っておいて」



放っておけなかった。このままにすれば、彼女は何かあった時に自分の命を差し出すことをためらわない人に成長してしまう。それだけは絶対に避けなければならないと思った、目の前にいる人間を見捨てるほどまだ俺の心は腐っていない。はずだ。

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