不良少女は保護対象 【名探偵コナン】【降谷零】

七日目 ページ7

.



"警察からの電話"という緊急事態になれていないのか、電話の向こうは酷くあたふたしている様子が受話器越しにも伝わってくる。夜中職員室にいたのは当直の教員二人らしく、先程からパタパタと足音が鳴り止まない




「学校にも親御さんにも連絡が行く。明日はたくさん叱られるだろうな？これを機に反省したらどうだ」

「………反省なんてしないよ。するわけないじゃん。
先生たちが焦ってるのは"生徒の中から不良が出た"とか"対応になれていない"からじゃない」

「なぜ言いきれる？
君のせいで先生方は大慌てなんだぞ」




足を組んで、指先をぼんやりと見ながらそう返事をした彼女。あまりにも反省する気の無い態度に、こちらも注意する気も失せてしまう。今どきここまで図太い女子高生も珍しいぞ。




「＿＿＿先生が慌ててるのはね、エリート校としての肩書きを失うのが怖いからだよ。私これでも学年首席だし世間様からの評判もいいの、なにより親は超が付くほどのお偉いさん。……"学校としての価値を上げてくれる桜庭一族"を失うのが怖いから、どうやって警察を誤魔化そうか考えてるってわけ」





興味なさげに呟いた彼女に、思わず言葉を失った。たしかに今の時代、どこの学校も肩書きやレッテルといった体裁を気にする傾向にある。"私は別に退学になってもいいんだけど"なんて、本気でつまらなそうな目で彼女はそう語った。

八日目→←六日目

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す