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【紅音目線】

ーーぼんやりとした視界からだんだん鮮明になっていく。

気づくと、そこはわたしの部屋だった。


「あれ?私、昨日どうなったんだっけ……」


時刻は朝の8時。

ズキズキと痛む重い頭を起こして周りを見渡すと、ベットのふちにおそ松がいた。

「うわぁ!!」

私の叫び声で目が覚めたのか、おそ松は「おはよぉ」と呑気な声で挨拶してきた。


「え、なんでおそ松がここにいるの?夜這い?」

「何で!?何で朝から失礼なこと言ってんの!?すんげぇ一瞬で目ぇ覚めたよ!看病だよ!看病!!」

「あぁ……それで、昨日私が池に落ちた後どうなったの?」


おそ松に昨日のことを全て説明されるとだんだん私の顔が赤くなって火照ってきた。


「なにそれ恥ずかしい死にたい恥ずか死するお願い誰か殺してお願いします」


うわ言のように繰り返してるとカラ松が入って来た。


「お、起きたか紅音。朝ごはん食べれるかと思って持ってきたんだが」

「あ、ありがとう...」

「それじゃ食べ終わった頃に食器取りに来るからな。」


そう言ってカラ松は出てってしまった。


(…ちょっと待って?人工呼吸って言ってたよね...?よくよく考えたら私とおそ松……)


考えただけで顔から火が出そうになる。

手でぱたぱたあおいで誤魔化すとおそ松がご飯をすくったスプーンをこちらに向けてた。

「……何してるの?」

「あーんして?」

「……いや、自分で食べられるし…」

「つべこべ言わずあーんする!お兄ちゃんの言うことは絶対!」

「えぇ……」

「ほらあーんして!ーー3・2・...」

「あああああもう分かったから!!!」


そう言ってなかば強制的にあーんさせられた。


うむ。カラ松のご飯は今日も美味しい。

結局全部あーんしてもらって食べ終わるとおそ松が呆れたように言ってきた。


「てかさー、紅音は今熱あるんだから今日一日じっとしてて。流石にあの寒い日に池に飛び込んだら風邪引くよ…。とにかく安静に!いい?」

「えっ私、熱あるの?」

「え、無自覚?それやばいよ。だいぶ顔赤いし」


ーーー誰のせいだよ!!って思うけどそれは言わないでおこう。そんな事考えてると急におそ松の顔が近くに来ておでこ同士が軽くぶつかった。

(近い近い近い!!)

「んんー?……あっちぃ!ほら、熱あるよ!今日は寝てて!なんかあったら言うこと!」

(そんな事言われても心臓バックバクなんだけど……)

「ふぁい……」

私は力ない返事を返した。

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作者名:きのこ松。 | 作成日時:2018年1月18日 20時

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