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【紅音目線】
その後、色々あったもののついにパーティ会場である大広間にたどり着いた。
少しだけ開けたドアの隙間から覗いてみるとどうやらパーティの真っ最中で大盛り上がり。
今なら堂々と入っても分からなそうだ。
「一松。ターゲットの顔は分かるか?」
「...いや。分からない。それらしき人はいるんだけど……」
目を凝らしながら一松は言う。そこに突然、チョロ松から連絡が入った。
《みんな逃げて!!そこの部屋、ダミーだ!》
そう聞こえた途端、五人全員がその場から回避。直後、爆発音がした。
《……みんな無事? あの部屋にいた人達、あれはホログラムで再現されてただけなんだ。要するに罠だったってこと。》
「チョロ松ー。本物の部屋どこ?」
《このビルの最上階の部屋。急がないと危ないかもしれないよ。》
そこに敵が50人くらい来た。爆発を聞いて駆けつけてきたのであろう。
「俺ら3人はこいつらを相手にしておくからおそ松と紅音!お前らは先にいけ!!」
「サンキューカラ松!!」
おそ松はそう言い、私とボスの部屋へ急いだ。
最上階。とても暗く、静かな部屋が1部屋あった。
「待ちくたびれたよ。松野ファミリー。」
声の主へ顔を向けると、さっきまで何も無かったところに急に出てきた蒼葉ファミリーのボス。
そいつにおそ松はひょうひょうと声をかけた。
「やぁやぁどうもこんばんは、蒼葉さん。」
「何の用だ?」
「あんたを殺しに来ました。」
「ほぅ…おもしろい。やれるもんならやってみなぁ!!」
そう叫ぶと突然飛びかかってきたボス。
おそ松はニヤニヤしながら相手をする。
私はおそ松の援護をすることになっているので拳銃を向け、サポートするもひらりひらりとかわされる。
(当たらない……どうしたらいい……?)
相手の動きを観察していると、蒼葉はあるスイッチをポケットから取り出した。おそ松は気づいてない。
ある不安が私の頭をよぎった。まさか……
ーーーーーー最悪なことに、予感的中。
「おそ松!!逃げて!!」
私が叫ぶも、時すでに遅し。青葉が不敵な笑みをすると同時にスイッチを押すと、おそ松がいた窓の付近が爆発。
「なっ……!!」
おそ松は爆発に巻き込まれ、ビルから落ちた。
「ふぅ……まずは1人。俺を殺すとか言って息巻いてたクセに、案外しょぼかったな。」
ニヤニヤしながらそんなことを言う蒼葉に私の中で何かが切れた。
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作者名:きのこ松。 | 作成日時:2018年1月18日 20時