【カゲプロ】 初代【冴える】 と 現役【冴える】~Part4~

175章　　わがままなお姫様 ページ44

それからずっと、無音の時間が続いた

　
私が先に折れるとでも思っているのか、一向に口を開かない

　
でも私はあきらめなかった、どれだけ時間が経とうがかまわない

　
答えてくれるまで逃がさない

　
そしてついに、クロハが口を開いた





クロ「・・・Aには関係ねぇことだ」


A「そういう問題じゃないよ!!大体、あのメールに私の名前が書いてある以上、私にだって知る権利が―――」

　


　
「ある」と言い切る前に、後ろから何かが私の首を締め付けた


突然のことに酷く混乱した、私はこれ以上首が絞まらないように、その得たいの知れないものに手をかける

　
そして気づいた、視線を下にやると、“それ”は体中いたるところにまきついていた

　
その正体は・・・・・“蛇”


　




A「なん・・・でっ」

　
クロ「能力は失っても、俺が蛇であることに変わりはねぇよ」


　


うかつだった、クロハの袖口からはさらに蛇が出てきている

　
おそらくクロハにかけている拘束をとらない限り、この蛇たちは行動を続けるだろう

　
でも、だからといって引き下がる私じゃなかった

　
私もそれに対抗し、さらに蛇を放つ

　

　


クロ「っ・・・おとなしく降参しろよっ」


　
A「そっちがね・・・・っ」


　


　
と強がって言ってはいるものの、さすがに私も意識が薄れてきた

　
さすがのクロハも、殺す気はないんだろうけど・・・

　
蛇が巻きつき、体中が悲鳴をあげている

　
酸素が足りなくなってくる

　
頭がクラクラしてきた

　


　


A「っ・・・やば・・・(ｸﾞﾗｯ」


　


　

耐え切れない、意識が遠のいていく

　
そんな中、またあの着メロが流れ出す

　
でもクロハは見向きもしない

　
じっと、私が蛇を開放するよう命じるのを待っている


蛇たちに開放するよう命じようとしたが、私はそこをグッと踏みとどまった

　
苦しいけど、怖いけど


　



A「くろはだけ、にげるな、んて・・・っずるい、よ」



クロ「!」


　




そうつぶやき、クロハを拘束していた蛇もとけ、視界が完全にシャットアウトする直前


しまっていた首がいっきにとけ、ずっと求めていた酸素が大量に肺に入っていくのがわかった

　
それと同時に、クロハのほうへと倒れこむと、クロハがやさしく抱き寄せてくれた


　


　
クロ「わがままなお姫様だなぁｗ」


　

クロハはそう言って、額に優しく唇を落とした

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