主婦喪失 9 ページ34
ゆかのことが心配で、面会してから帰りたかったけど、それは叶わなかった。
救急センターのICUは1日に3回、1回15分の面会時間以外、家族であっても会うことはできない。
僕は仕方なく翔と2人で帰宅することにした。
僕も翔も病院に詰めていたいのはもちろんなんだけど、学童保育と保育園の2ヶ所にお迎えに行かなくてはいけないから。
どちらも閉まるギリギリの時間に駆け込んで。
潤には『パパ遅いよー』って怒られた。
今から帰ってご飯を作ることはできないからと、ファミレスに寄ったんだけど、和と潤2人に、
『ゆかねぇは？』
『まーにぃは？』
って、聞かれて。
「ゆかねぇはね、ちょっとお腹が痛くなっちゃって、病院にお泊まりなんだ。
まーにぃはゆかねぇが寂しがるから一緒にいる」
って、話した。
ウソは言ってない。ただ全てを話していないだけ…
まだ幼い2人に、ゆかの今の状態を上手く話せる自信がない。
疑うことを知らない子どもたちは、
「オレもぽんぽん痛かったけど、お泊まりしたらすぐに治ったよー！
准一せんせー治してくれたよ？」
「まーにぃが一緒だからへーきだよね？
だってお医者さんだもん！
それにゆかねぇ寂しくなんないし」
そう言って屈託なく笑う、その笑顔に心が痛む。
痛みは続くし、雅紀は治療をしてやるために一緒にいるわけじゃない。
急変に備えて誰か一人は残って欲しいと病院側から、言われたからだ。
でもそんなこと口が裂けても言えない…
その後も久しぶりの外食にはしゃぐ2人。
「ハンバーグおいしいぃ。でも僕はゆかねぇのハンバーグの方が好き！また作ってってお願いするー」
「この唐揚げまーにぃにもあげたーい！まーにぃ唐揚げ大好きだもん」
頼んだハンバーグとお子さまランチを食べながら笑顔で言う2人。
そんな2人に翔は、
「そうだなゆかの作るハンバーグは最高だもんな？」
「雅紀は唐揚げばっか食べてるもんな？」
って、返事をしてやってるけど、いつものような元気はないし、言葉数も少ない。
僕たちも何か食べなくてはと、義務的に食べたけど、正直何の味も感じることができなかった。
帰ってからシャワーを浴びさせ、次の日の支度を手伝ってやって。
和には宿題をやらせて…
子どもたちが眠りについた時には、僕も翔もぐったりだった。
ゆかが毎日ひとりでこなしていることの極々一部を2人でやったのにも関わらずこの有り様。
一体今まで何をしていたのか…
とこれまでの自分を恨んだ。
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虹(プロフ) - ebi信号さん» こんばんはー！コメントありがとうございます(^O^)ワクワクしてもらえて、私も嬉しいです♪これからもよろしくお願いします(^o^ゞ (2019年4月12日 22時) (
レス) id: d02e7023d3 (このIDを非表示/違反報告)
ebi信号(プロフ) - profile読んだだけで、泣きそうになってしまった。ワクワクとホッと安心感です。この世界を続けてくれて、残してくれてありがとう…。 (2019年4月12日 0時) (レス) id: 7ab42f2331 (このIDを非表示/違反報告)
琴子(プロフ) - 虹さん» ありがとうございます！こちらこそ(^-^)/ (2019年1月2日 16時) (レス) id: cc1132a1bd (このIDを非表示/違反報告)
虹(プロフ) - 琴子さん» 良かったぁ(^O^)これからもよろしくお願いします(^o^ゞ (2019年1月2日 13時) (レス) id: d02e7023d3 (このIDを非表示/違反報告)
琴子(プロフ) - 虹さん» さっそくにありがとうございました！見れました＼(^o^)／ (2019年1月2日 13時) (レス) id: cc1132a1bd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：虹
| 作成日時：2018年12月24日 18時
