主婦喪失 7 ページ32
雅紀サイド
目の前の光景が全く理解できない。
力なく横たわるゆかの姿も…
大勢のスタッフに囲まれて、機械の音が耳障りなほど響いているのも…
床に流れる大量の血液も…
それが今朝までいつも通り、俺の大好きな笑顔でいたゆかの身に起きていることだなんて…
俺には理解できない。
何もかも現実だとは思えない。
全く理解が追い付かない中、目の前でオペが始まって。
「卵管の温存ができない」と聞いても、ただただゆかが助かってくれればそれで良いって思ってた。
俺はただひたすら『がんばれ』って、何度も何度も心の中で念じ続けること位しかできなくて。
しばらくして、
「出血は止まったでー。バイタルどない？血圧戻ってきた？」
呑気とも言える大倉先生の声が聞こえて。
ほんのちょっと、ほんのちょっとだけ肩の力を抜いた時だった。
ﾋﾟｯ―――――――――――
モニターの警報が鳴り響いた。
「VFですっ！」
「除細動用意して！200にチャージ！」
「ボスミンちょーだい！」
心室細動…
俺も医者の端くれとして、それが危機的な状態だと知っている。
けど、それがゆかの身に起きてるなんて俺は認めたくない。
いや、認めない。
「何だよ、これ…
何でだよ！
何でこんなことになんだよっ！！」
わからなくって…
何がなんだかまるっきりわかんなくて…
目の前がサーっと暗くなった…
「雅紀っ！大丈夫か？」
声が聞こえると同時に、ガシッと強く腕を掴まれた。
「しっかりしろっ！
お前が目を逸らしてどうする？
ゆかを一人で頑張らせるのか？
ゆかが寂しがんだろ？
いつも一緒に…だろ？」
その声で。
やっとの思いで翔にぃの顔に焦点を合わせると、その目は真っ赤で…
俺は翔にぃに肩を抱かれ、また強く強く
『がんばれ！』
って、祈った。
どれくらいの間だったかは、わからない。
ただただ、祈り続けた。
その想いが通じたのかな…
ﾋﾟｯ ﾋﾟｯ ﾋﾟｯ ﾋﾟｯ
「心拍再開！
今のうちにお腹閉じちゃってー！」
規則的なモニター音と共に、井ノ原先生の声が俺の耳にも届いて、翔にぃがグッと力強く俺を抱き寄せた…
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虹(プロフ) - ebi信号さん» こんばんはー！コメントありがとうございます(^O^)ワクワクしてもらえて、私も嬉しいです♪これからもよろしくお願いします(^o^ゞ (2019年4月12日 22時) (
レス) id: d02e7023d3 (このIDを非表示/違反報告)
ebi信号(プロフ) - profile読んだだけで、泣きそうになってしまった。ワクワクとホッと安心感です。この世界を続けてくれて、残してくれてありがとう…。 (2019年4月12日 0時) (レス) id: 7ab42f2331 (このIDを非表示/違反報告)
琴子(プロフ) - 虹さん» ありがとうございます！こちらこそ(^-^)/ (2019年1月2日 16時) (レス) id: cc1132a1bd (このIDを非表示/違反報告)
虹(プロフ) - 琴子さん» 良かったぁ(^O^)これからもよろしくお願いします(^o^ゞ (2019年1月2日 13時) (レス) id: d02e7023d3 (このIDを非表示/違反報告)
琴子(プロフ) - 虹さん» さっそくにありがとうございました！見れました＼(^o^)／ (2019年1月2日 13時) (レス) id: cc1132a1bd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：虹
| 作成日時：2018年12月24日 18時
