主婦喪失 5 ページ30
翔サイド
「ゆかーごめんな、もう1回点滴させてね？
これが終わったら救急車に乗るからねー」
意識を途絶えさせないようにと、必死になって声を掛け続ける。
でもゆかは小さく頷くことはあっても目を開けることはなく、額には冷や汗が玉を作っている。
「がんばれーゆか！」
もうそれしか言葉がなくて…
そう言いながら額の汗を拭いていると、玄関が騒がしくなって、救急隊が到着したんだとわかった。
「ゆか、ちょっと動くからねー」
雅紀が子どもに言うような優しい声音で言って、髪をオールバックにするように撫でてやった。
「お願いします。できるだけそっと…」
そんなことは言われずとも心得ているだろうけど、ゆかを思うと言わずにはいれなくて…
俺は2本の点滴を一纏めにして片手で持ち、少しでもスムーズにストレッチャーに移れるようサポートに回った。
救急車の中でモニターに繋ぐと、血圧は100以上で保たれていて、俺としては少しだけホッとした。
喜多川総合病院の救急センターが搬送を受け入れてくれ、あっという間に病院に到着。
顔見知りの医師たちが特別にと、初療室への入室も許可してくれた。
ゆかが雅紀の手をしっかり握って離さなかったのもあって。
「相葉さーん、またベッド移動しますからねー」
ゆかの頭上に立つ医師がそう一言告げて、スタッフが声を掛け合って体を持ち上げた。
「うぅっあ、あぁ…」
これまでより一際大きな呻き声を上げたゆか。
それには特に反応せず、
「今からお腹、診ますからねー」
そう言って掛けてあった毛布を捲った医師。
『ドクッ…ドクッ…』
と、音が聞こえてきそうな勢いで出血していて。
今付け替えたばかりのモニターから、異常を知らせるアラームが、けたたましく鳴り響く。
「ゆかっ！」
雅紀の顔が一気に青ざめる。
「輸液全開っ！」
「相葉さーん、わかりますか？」
「昇圧剤！それから、CV急いで！」
「挿管します、チューブ7-0で！」
一気に緊迫した空気になり、俺と雅紀はズルズルと後退するしかなかった。
「ギネの先生まだー？」
挿管したこのチームのリーダーと思われる医師が、産婦人科医はまだかと声を荒らげる。
「クロスマッチ、結果急げー！」
その声で『あぁ、輸血もするんだ…』って仕事の時とは比べ物にならない位、ゆっくり、そしてぼんやりと認識した頃、
「相葉さん、櫻井さんこちらへ」
と、背後から声を掛けられた。
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虹(プロフ) - ebi信号さん» こんばんはー！コメントありがとうございます(^O^)ワクワクしてもらえて、私も嬉しいです♪これからもよろしくお願いします(^o^ゞ (2019年4月12日 22時) (
レス) id: d02e7023d3 (このIDを非表示/違反報告)
ebi信号(プロフ) - profile読んだだけで、泣きそうになってしまった。ワクワクとホッと安心感です。この世界を続けてくれて、残してくれてありがとう…。 (2019年4月12日 0時) (レス) id: 7ab42f2331 (このIDを非表示/違反報告)
琴子(プロフ) - 虹さん» ありがとうございます！こちらこそ(^-^)/ (2019年1月2日 16時) (レス) id: cc1132a1bd (このIDを非表示/違反報告)
虹(プロフ) - 琴子さん» 良かったぁ(^O^)これからもよろしくお願いします(^o^ゞ (2019年1月2日 13時) (レス) id: d02e7023d3 (このIDを非表示/違反報告)
琴子(プロフ) - 虹さん» さっそくにありがとうございました！見れました＼(^o^)／ (2019年1月2日 13時) (レス) id: cc1132a1bd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：虹
| 作成日時：2018年12月24日 18時
