はじまりは潤 7 ページ11
着替えが終わりそうなのを見計らって、
「翔、準備できたよ。サーフロー24Gでいいよね？」
アルコール綿のパッケージを破きながら声を掛けると、
「うん。ホントはもっと太いのでいきたいけど…
これだけ脱水してたら仕方ないな」
床に敷いたタオルケットの上に、雅紀から受け取った潤をそっと寝かし、小声でそう言った翔。
高血糖に起因する脱水症状。
本来、ブドウ糖は体に必要な栄養分だけど、糖尿病で血液中のブドウ糖が多くなり過ぎると、腎臓はブドウ糖を多量の水分と一緒に尿として排出するようになる。
尿の量を増やすために体中の水分を使い、そのために脱水状態になるんだ。
数時間前、あれほど水分を要求していた潤だけど、今はただ苦しそうに顔を歪めるだけで泣くことさえ儘ならない様子。
こんなことになるんなら、思う存分飲ませてやれば良かった…
なんて、医者らしくない考えが頭を過る。
そんな思いを振り切るようにブルブルっと頭を振って、翔の手元に視線を移すと、ちょうどサーフロー針の内筒を抜くところだった。
「早っ！」
雅紀が驚きの声を上げながらも、固定用のドレッシング材を用意して、翔の逆側から貼り付けた。
2人の見事な連携で、あっという間にルート確保ができた。
だけど翔の顔に笑みはおろか、ちょっとした安堵の色も浮かばない。
「智にぃ車準備して。2列目フラットにして暖めてくれる？」
2台ある車の1BOXの方を使うんだと分かった僕は階段を駆け下り、下駄箱の上にあったキーを掴んで外に出た。
焦りながらも何とかシートを倒し、車から出ると毛布やタオルを大量に抱えた雅紀が玄関から出てくるところだった。
「智にぃ、できた？
翔にぃが待ってるから早く行ってあげて。1人じゃ運べないって」
返事もそこそこに部屋に引き返すとタオルケットにくるんだ潤を大事そうに抱えた翔がベッドに腰掛けていた。
「お待たせ、行こうか？」
点滴を手に言うと、
「潤、動くよ？」
優しく潤に声を掛けて立ち上がった。
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虹(プロフ) - ebi信号さん» こんばんはー！コメントありがとうございます(^O^)ワクワクしてもらえて、私も嬉しいです♪これからもよろしくお願いします(^o^ゞ (2019年4月12日 22時) (
レス) id: d02e7023d3 (このIDを非表示/違反報告)
ebi信号(プロフ) - profile読んだだけで、泣きそうになってしまった。ワクワクとホッと安心感です。この世界を続けてくれて、残してくれてありがとう…。 (2019年4月12日 0時) (レス) id: 7ab42f2331 (このIDを非表示/違反報告)
琴子(プロフ) - 虹さん» ありがとうございます！こちらこそ(^-^)/ (2019年1月2日 16時) (レス) id: cc1132a1bd (このIDを非表示/違反報告)
虹(プロフ) - 琴子さん» 良かったぁ(^O^)これからもよろしくお願いします(^o^ゞ (2019年1月2日 13時) (レス) id: d02e7023d3 (このIDを非表示/違反報告)
琴子(プロフ) - 虹さん» さっそくにありがとうございました！見れました＼(^o^)／ (2019年1月2日 13時) (レス) id: cc1132a1bd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：虹
| 作成日時：2018年12月24日 18時
