はじまりは潤 6 ページ10
『ん？大野か？
どした、こんな時間に…
チビが熱でも出したか？』
携帯ではなく、病院に電話してきたことで推測したのか、すぐにこちらの意図を汲み取ってくれた。
「うん。潤が具合悪くて。
ただの風邪とかじゃなくて、DKAかもしれないんだ。
症状は腹痛、多尿、多飲、脱水。夕方からゴロゴロしてたのは倦怠感からかも。
今からルート取って連れて行っても良い？」
僕がそう言うと同時に、受話器越しに聞こえてくるドアの開閉音。
パタパタと廊下を歩く音を立てながら、
『すぐ来い！
受け入れ準備しとくから。
大丈夫だ、心配すんな。すぐ処置してやるから。
で、意識レベルは？』
小気味良く言ってくれる。
「明らかな低下はなさそうだけど、痛みがあるわりには大人しいかな？」
『分かった。
櫻井、いるんだろ？』
「さっき帰って来て、今輸液の準備してくれてる」
『ん、なら大丈夫だ。そんな悲壮な声出すな。親のお前らがしっかりしろよ？』
志村さんに次ぐ、我が家の理解者でもある同期の岡田にそう言われ、ようやく落ち着く事ができた。
「じゃあ頼むね…」
そう言って、スマホをポケットに戻した時、翔が戻ってきた。
「とりあえず、生食繋ぐ。智にぃ…」
「あっ嘔吐！」
翔の声を遮り、雅紀の焦った声が響いた。
それでも雅紀は冷静で、叫ぶと同時に無理な体勢ながらも潤の顔を横に向けて、誤嚥させないようにしてくれて…
「もうちょっとそのままな？雅紀。今もらうから…」
翔も慌てて床にタオルケットを敷きながら、声を掛けてる。
２人が潤を診てくれてるから、僕は翔が言おうとしていただろう点滴の準備を終わらせようと、手の動きを加速させた。
輸液セットを取り出し延長チューブを繋ぎ、クレンメを全開にする。
ルート内に薬液が満たされていく、その僅かな時間さえもどかしく、早く早くと気持ちばかりが先走る。
それでも何とか、準備を整え終わった。
早く脱水だけでも何とかしてあげないと…
そんな想いで、焦りながらも点滴を刺すべく準備をしている3人を見つめていた。
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虹(プロフ) - ebi信号さん» こんばんはー！コメントありがとうございます(^O^)ワクワクしてもらえて、私も嬉しいです♪これからもよろしくお願いします(^o^ゞ (2019年4月12日 22時) (
レス) id: d02e7023d3 (このIDを非表示/違反報告)
ebi信号(プロフ) - profile読んだだけで、泣きそうになってしまった。ワクワクとホッと安心感です。この世界を続けてくれて、残してくれてありがとう…。 (2019年4月12日 0時) (レス) id: 7ab42f2331 (このIDを非表示/違反報告)
琴子(プロフ) - 虹さん» ありがとうございます！こちらこそ(^-^)/ (2019年1月2日 16時) (レス) id: cc1132a1bd (このIDを非表示/違反報告)
虹(プロフ) - 琴子さん» 良かったぁ(^O^)これからもよろしくお願いします(^o^ゞ (2019年1月2日 13時) (レス) id: d02e7023d3 (このIDを非表示/違反報告)
琴子(プロフ) - 虹さん» さっそくにありがとうございました！見れました＼(^o^)／ (2019年1月2日 13時) (レス) id: cc1132a1bd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：虹
| 作成日時：2018年12月24日 18時
