幸せな幻 (ページ8) - 小説/夢小説

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♪♪ ページ8

「でも、お義姉様って呼び方も嫌かな。なんか、やっと対等な「おともだち」になれたのに、もっと親しい家族になってまた上下関係ができるのって、気に食わないの。」

「気に食わない…」

おっと、ふさわしくない言葉使いだっただろうか。

「でも、確かにそうねぇ…じゃあ、2人の時は…Aちゃんって、今みたいに呼んでもいかしらあ？」

「……ふふ、勿論だよ。それに、ここだけじゃなくて、白龍や女官や従者がいる中でも構わないわ。」

「えっ？そんなの、怒られちゃうわあ……」

「そうかな。でも、紅玉。誰かに嫌なこと言われたら、すーーぐに私のところに駆けつけるのよ。

誰も、私には、逆らえないからね。」

にっこりと紅玉の頭を撫でながら笑って見せれば、紅玉は頬を引き攣らせながらも「こ、心強いわあ」と言った。

「ってか、何より「家族」ですものね。血は繋がっていないけれど、他の奴らより私たちの絆は何倍も濃くて強いはずよ。

違う？」

にっと笑って聞けば、紅玉は嬉しそうに笑って頷いた。

「そうね！私たちの絆は、ずーっと切れることはないわ！」

「ええ、そうよ紅玉。約束しましょう…」

小指を差し出す。

(あれ、こんなこと、しちゃダメよ…)

「！！もちろんよぉ！」

紅玉も小指を出した。

(なんで、こんなこと言ったんだろう。)

2人の小指が絡んで、上下に揺れる。

口を開かない私に気がつく前に、紅玉は自ら可愛らしく歌って指を揺らして見せた。

「ゆーびきりげんまーん嘘ついたらはりせんぼんのーます。

ゆびきった！」

そうして小指離れた。
私は呆然と自分の小指を眺めた。
紅玉は大切なもののように自分の小指を胸に当てながら、首を傾げた。

「どうかしたぁ？Aちゃん。あ、今更約束は無かったことに！なんて、許さないわよぉ！」

ウフフ、と手を口に当てて笑う紅玉に、私はフッと微笑んだ。

「そうね、まさか、そんなことはしないわ。」

(”余計な荷物”は作らないつもりだったのに。

イケない子ね、私って。)

「…」

眺めていた自分の小指にちゅっと唇を落としてやれば、紅玉はそれを見て顔を赤くし、「も、もぉAちゃんったら、、」と照れた。

「……ずっと、お友達、ね。」

「えぇ！そうよぉ、明日もまた、会ったらお話してくれるぅ？」

「…会ったら、じゃなくて、会いに来てもいいのよ。来ないなら、私からいっちゃおうかな。」

「！うふふ、そんな暇与えないくらい、たくさん行っちゃうわよお！」