moaning myrtle ページ20
私たちは3階の女子トイレに集まっていた。
「再び？じゃあ秘密の部屋は前にも開かれたの？」
ハーマイオニーは私たちの説明を訊いた後、意外そうに言った。
「そんな感じのニュアンスに感じたよ」
私が言うと、ロンは閃いたように、「ルシウス・マルフォイが学生だった頃に開けたんだよ。で、ドラコに開け方を教えた。」と推理した。
「そうかもね。ポリジュース薬が出来れば確かめられるわ。」
ハーマイオニーは再び鍋に目を落とした。
「聞くけどさ、こんなとこで昼間っから薬なんて煎じてていいの？それも、女子トイレのド真ん中で。」
ロンの問いかけに私達も頷いた。女子トイレで薬を煎じるところが見つかったら大変だ。
「ここには誰も来ないわ。」
ハーマイオニーは確信しているような様子ではっきりと言いきった。
「……なんで？」
ロンは眉根を寄せた。
「嘆きのマートルよ。」
「誰？」
ロンはこちらを見た。私も知らないから、肩を竦めて知らない、と目で訴えた。
「嘆きのマートル。」
ハーマイオニーは繰り返した。
「マートルって誰？」
そういうロンの後ろに、眼鏡をかけた二つ結びのゴーストが現れた。
「私が嘆きのマートルよ！どうせ私のことなんか知らないんでしょ。誰も私の話なんかしない。みじめなめそめそマートルのことなんか。」
洗面台の上まで行ったマートルは、泣きながら勢いよくトイレの中に消えていった。
「傷つきやすい子なの。」
ハーマイオニーは付け加えた。
ーーー
決闘クラブというクラブができた。
ギルデロイ・ロックハート主宰というのがもう信用ならないが、興味はあったので参加することに。
寮、学年問わず意外とたくさんの生徒が参加していた。
それぞれペアを組んで、空いての武器を取る練習をするのだとか。
「最近何かと物騒な事件が続いているので校長からお許しをいただいて、決闘クラブを開くことにしました。万一に備え、自分の身を守れるよう皆さんを鍛えます。私も何度も危ない目にあって来ました。」
自慢げに語ったあと、スネイプ先生が助手として初めに実演をすることになった。
2人は向かい合ってお辞儀をする。少し離れて、ワン、ツー、スリー、とカウントしたあと、攻撃は始まった。
「エクスペリアームス！」
一足先にスネイプ先生は呪文を放った。ド派手にロックハート先生は吹っ飛んだ。
周りから笑い声が上がる。
「先生大丈夫かしらね」
ソコロはぼうっとロックハート先生を見つめた。
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作者名：そぼく | 作成日時：2023年3月27日 2時
