紅の花【文豪ストレイドッグス】

第3話　組合 ページ5

任務、というのだろう


今日から、久作とお出かけしなきゃいけない。


組合と呼ばれる外国の異能力者集団と探偵社とポートマフィアで戦争になるらしい。

だから、その二つを制するために私たちを出すってわけね。



所詮、駒ってことでしょ。



念のためスマートフォン所持。
GPS付きのね。


久作は持ってないけど、基本的には一緒にいろってさ。



「久しぶりの外じゃない？どう？」

「楽しみだよ！Aお姉ちゃんと一緒だしね！」

「そっか」


可愛らしい笑顔でこちらを見る久作。



少し見たくらいでは、こんな子が忌み嫌われる精神操作系の異能力者だとは思うまい。


まあ、私もそこに含まれてはいるんだろうけど。




私も久しく外に出ていなかった。


だから、外に出ていっぱい息を吸った。


空気が澄んでいる。

あの組織の中はいつも血生臭いし空気は重い。

決して居心地のいい場所じゃない。









外に出てからいくつか経過して、とても混雑している通りに出た。


たくさんの人。見てるだけで気持ち悪い。



「やっぱりお外っていいな！みんな楽しそう！」

「そう？ならよかった。」


私より小さい彼の頭を少しなでる。

彼は、とっても純粋だと思う。

きっと、何にも知らないんじゃないかな。



その時ふと、声がきこえた。


何度も何度もうなされた、忘れられない大っ嫌いな声が。



「ねえ、久作。あっち行かない？」



いまは、少しでも、遠くに行きたい離れたい。


遠ざかりたいんだ、あの声から。




…………あの人から。





「？どうかしたの、大丈夫？」

「うん、大丈夫。行こう、いろんなところ。」

「うん！」




ふと、あの人あこちらを見たような気がした。


でも、今は遠ざかろうと必死で。

離れようと必死で。


本当にあの人がこちらを見たのかは




わからないけれど。






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作者から


設定、多少の変更、追加を行いました。確認よろしくお願いします。

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