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貴方は誰? ページ1

睡蓮side
眠い…海の其処に堕ちて行く様ね。

目を開けようとしても目が開かず、まぶたが重い。

「起き給えよ」

知らない人の声に私は跳ね起きた。

目を開くと眩しくて目を細める。

知らない天井に、知らない部屋。

其処には綺麗な少年。

年は同じ位だろうか?

私は胸元の短剣を取り出そうとした。

「…無い…」

護身用の短剣が無くなっていた。

「私が持っているからね。私は君の恩人だよ?」

少年はそう言った。

私の短剣を手に持っていた。

この人が私を此処まで運んでくれたのか。

「ありがとうございます。短剣は返して下さいな」

お礼を言って、私は少年の方に手を差し出す。

呆気なく返された。

私は、銀の装飾がこさえてある短剣の重みを手に感じた。

「私は太宰治。君は?」

私の顔を覗き込んで太宰と言う少年は聞いた。

此処に兄弟はいない。

でも、私の命を狙われるかも知れない。

そう考えても、人魚が陸に上がるのは珍しいので大丈夫だと判断する。

「私は…睡蓮だったと思うわ」

「睡蓮か、綺麗な名だね」

太宰が楽しそうに笑った。

「貴方は何で私を助けたの?」

「君が綺麗で一目惚れしたのだよ」

頬を少し高潮させて、太宰が言う。

「ごめんなさい。私は人を好きにならないわ」

頭の中に魔女の言葉が響いた。

「其れはやってみないと分からないだろう?」

「そうね。でも、ありえないわ」

太宰が頬を膨らませた。

「君の声は綺麗だね」

「ありがとう」

私は声を失いたく無いの。

自由になる為に、陸に上がった。

人魚は昔から陸に上がって生き残って帰って来た者はいない。

けど、私は自由を手に入るのなら私は危険を犯す。

「ねぇ、君は何者だい?」

「そうね…私にも分からない」

何で私が兄弟から嫌われているかも。

私は何故人魚なのかも。

「記憶喪失かい?」

「多分…名前しか思い出せないの」

嘘を呆気なく信じた太宰。

でも、本当に私は陸の上では何も知らないわ。

「じゃあ、連れ出して上げるよ!」

その言葉に、胸が波打つ。

私は自由になったのか?

自由に何処にでも行けるの?

其れはとても夢の様で甘い誘惑だと思う。

その誘惑に私は誘われてしまった。

私は太宰の手を取って走り出した。

その事に、私は自由だと実感した。

もう、私は自由になったと噛み締めて…。

貴方の方が綺麗よ→



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設定タグ:文豪ストレイドッグス , 双黒 , 人魚姫   
作品ジャンル:恋愛
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心結(プロフ) - いえいえ!笑 小説書き頑張ってね(*^^*) (2017年9月14日 17時) (レス) id: ccce44416b (このIDを非表示/違反報告)
彼岸花(プロフ) - 心結さん» 分かるよー!ありがと(≧▽≦) (2017年9月14日 17時) (レス) id: 81cc73b64b (このIDを非表示/違反報告)
心結(プロフ) - 多分誰かは分かると思いますけど笑 色々読ませてもらいますね、爆笑 個人的にこのお話は結構好きですよー。 (2017年9月14日 17時) (レス) id: ccce44416b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:彼岸花 | 作成日時:2017年3月31日 9時

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