【黒バス】『バスケしろよ…っていうか原作どうした？』「そんなの姫がいるからナシに決まってんでしょぉ」『…◯ね』

29粒 ページ32

．








『誰のためにこんなことしてんだよ』









貴「…誰って…さつきの為だよ。」


テーブルに腕を組んで伏せているさつきの頭を梳くように撫でる


灰「そいつはなんにもしてくれねぇのに？」


貴「そんなことない」


祥吾は近くにあった、さつきたちとは違うテーブルの椅子に腰掛ける


灰「そんなことあるだろ？」


灰「お前はそんな身体張ってまで骨を折ってまでこいつらを庇ってんだぜ？」


貴「だからなに」


灰「なのに、こいつらと来たら？お前がこんなに頑張ってるっつーんに庇いの一つもしやしねぇ」


貴「僕がそう仕向けてる」


灰「だから、この女も薄々分かってるっつっただろ？涼太やテツヤなんか知ってんのに助けにきやしねぇ」


何も、言い返せなかった僕に祥吾はさらに言い募る


灰「お前さぁ、俺が迎えに行く前泣いてただろ？」


貴「見てたんだ。」


灰「目元見りゃわかんだよ」


灰「お前が泣いてる時にはこいつらは呑気にお昼寝だぜ？馬鹿らしくなんねぇか？」


馬鹿らしい？
そんな感情を持ってどうする？

僕がまたさつきも一緒にみんなで笑い合いたいって思ったからやってるだけ。
気づかないようにしてるから気づかないフリをしてるだけ。


灰「なあ、」


貴「な、に」


灰「お前がそんなんになってまでこいつらを庇う理由があるんかよ」


貴「あるよ、仲間じゃん」


そう、仲間を大切にするのは当たり前


灰「その仲間って奴はあんなに脆く崩れるのにか？」


貴「崩れるから必死に信じるんだろ」


灰「…ふーん、俺はお前が必死に詭弁を並べてるようにしか見えねぇけどな」


貴「詭弁なんて言葉知ってんだね」


灰「ほら、逃げようとした。図星だからじゃねぇのか？」


貴「…そうだね。正直いうと、辛いやだ逃げたい」


貴「でも、これが本来のこの子達の関係ではないから」


貴「僕が戻す」


異世界人がやったのなら、その責任を負うのは当たり前だ

僕はそれを戻すだけ


彼等がまた笑いあえるように



灰「偽善者だな」


貴「偽善者にもなりきれてないよ」


貴「それでも。」


貴「偽善で誰かが救えるならいいだろう」


5時間目終了のチャイムが鳴った

30粒→←28粒

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す