検索窓
今日:25 hit、昨日:0 hit、合計:59,839 hit

花宮夢1-2 ページ8










「__________ふはっ、だからなんだよ?」


顔を急に上げた彼は笑っていた。

それに少し驚いて目を丸くすれば、腕を取られる。


「っ、ぃった…」


そのまま勢いよく校舎に叩きつけられるようにして、腕を縫い付けられる。

私と彼の顔の距離は10cmあるか、ないか。

痛みに顔を顰めれば、頭上から笑い声が降ってくる。


「教師に言い付けるか?PTAにでも突き出すか?」


夕陽が、彼を背中から斜めに照らす。

オレンジと黒のコントラストが、彼の笑みをより一層悪どく演出している。


…綺麗。


なんて、思ってしまった。

歪んだ人の負の表情を、際限無く映し出す彼の顔はこれ以上ないほど、私には綺麗に見えた。


「そんな事、しないわ」


「は?」


本日二度目、目を丸くした彼。

そんな彼に掴まれている腕を振りほどいて、真っ直ぐと見つめ返す。


「私には、関係ないもの」


これは本心。

彼がバスケで何をやっていようと構わないし、猫被りをしていたって私には何の支障も出ない。


「ックク、お前の下の名前は確か…」


「Aよ、A」


まさに悪役、とでも言えそうな笑いを零す彼を呆れたように返す。

いや、心底愉しそうに顔を歪めるの方が適切かもしれない。


「なぁ、A」


「何かしら?」


「バスケ部に、入れよ」


彼は、私に命令をするように吐き捨てた。

拒否権はどうやら、与えては貰えないようだ。


私は、彼の蜘蛛の巣に自ら包まりに行ったのかもしれない。

でも、後悔は1mmたりともなかった、なぜなら__________









今までよりずっと、









(貴方の表情が綺麗に見えるのだから)

花宮夢2→←花宮夢1



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (77 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
70人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ユズナ(プロフ) - 今吉いぃぃぃぃぃぃいえあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!(((( とりあえず、いまよしぬ レベルですよこれ…禿げそう(( (2015年11月8日 8時) (レス) id: f48090b258 (このIDを非表示/違反報告)
鹿野悠(プロフ) - 甘夏蜜柑さん» ありがとうございました!ブン太待ってます! (2015年7月12日 14時) (レス) id: 0a529b702d (このIDを非表示/違反報告)
甘夏蜜柑(プロフ) - 朔夜さん» 了解です!もう少し時間がかかってしまうかもしれませんので気長にお待ちください! (2015年7月12日 10時) (レス) id: b96b0fe977 (このIDを非表示/違反報告)
甘夏蜜柑(プロフ) - 涼風さん» 続編に行ったら書かせていただきます!一応赤司のは書いたのですが、僕司夢っぽくもなっているので別の物を書いて載せたいと思っています。 (2015年7月12日 10時) (レス) id: b96b0fe977 (このIDを非表示/違反報告)
甘夏蜜柑(プロフ) - 鹿野悠さん» 雲雀さんと仁王書かせていただきました!丸井くんはもう少しお待ちください! (2015年7月12日 10時) (レス) id: b96b0fe977 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:甘夏蜜柑 | 作成日時:2015年5月28日 15時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。