【黒バス】浮気心とうわの空。【黄瀬 涼太】 fin.

浮気 15 ページ15

.



「…つまんないねー。」


「……。」




私の横には、グデーッと机にもたれる祐希くん。


そんな彼に、私はため息を吐いて手に持っていた本に視線を落とす。




「ねー、Aー？」


「……。」




私が今読んでいるのは、浮気をされた女の子のおハナシ。


最後はハッピーエンド。




「黄瀬クンさー？」


「……。」




今私が読んでいるシーンは女の子が男の子に一生懸命訴えてる。


泣き喚きながら、可愛らしく。


男の子の思い通りに、


描く通りに、


心情を吐露していく。





好き、好き、愛してる。


貴方しか要らない。


私だけを見て。






そう言われて、モノガタリの男の子は笑みを浮かべた。


すべて、思い通りだ…って。





「最近ますます女遊び激しくなってるよねー。」


「……。」





現実は、上手くいかない。


この手の中にある本だって、ツクリモノ。




だってだって、私が泣きすがれると思うの？




『好き、愛してる、側にいて、私だけを見てッッ！』




ってさ。





本だから、美しい。


本だから、羨ましい。


本だから、出来る。






「…この間さー、俺見たんだよね。」


「……。」







これはフィクションじゃない。


現実なの。









「…………黄瀬クンが、キスしてるトコ。」









＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿現実、なの…………？

お知らせ→←浮気 14

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す