浮気 12 ページ12
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「へー、追いかけて来ないんだ。」
「…そ、だね。」
何気に、ショックだったんだろう。
多分、私は。
いつも、追いかけてくれるのは彼で。
いつも、言葉をくれるのは彼で。
いつも、気持ちをくれるのは彼で。
今日も、追いかけて来てくれると…私は無意識に思っていたんだろう。
なんだろう?
すごい気持ち悪い。
なんでだろう?
すごい泣きたい。
祐樹くんの席に座って、突っ伏した。
私が勝手に座っているのには何も言わず、祐樹くんは前の席に座る。
まだ早いからか、この教室には私達以外誰もいなかった。
いつもなら、この朝の静けさが好きだった。
でも…今日はなんとなく嫌で。
いや、きっと涼太が浮気してからずっと感じていたことだろう。
この静けさが、大好きだった空間が嫌いになった。
浮気される前は。
いつも本を読みながら、
偶に涼太の事を考えて、
ボーッとして涼太が私に挨拶してくれるのを待ってた。
『おはよ、A!』
キラキラの笑顔で。
偶には息を切らして。
『Aに早く逢いたくて走ってきたんッスよ!』
不意打ちで、大人びた顔して。
『好きッス、A。』
どうしてこうなったのかなぁ。
「もうアイツ、お前の事好きじゃないんじゃないの?」
ヒュッと喉が鳴る。
現実に引き戻されるような、冷たい声音。
伏せていた顔をゆっくりあげれば、どこかバカにしたような表情の祐樹くん。
「……………………そ、」
それでも、
私は涼太が好きなんだ。
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何卒 - 祐希と付き合いたいわ…。 (2020年1月6日 20時) (レス) id: 58baba6999 (このIDを非表示/違反報告)
フラン(プロフ) - 祐希君イケメン過ぎ……もう付き合えよ (2019年1月1日 23時) (レス) id: 24d7937625 (このIDを非表示/違反報告)
ヴィア(プロフ) - 読みに来たのは2度目ですが、本当に、ゆーきくん…好きです…。 (2018年12月30日 11時) (レス) id: 43edf93385 (このIDを非表示/違反報告)
黎譁 - いい!凄くいい!何もかもがとってもいい! (2016年4月3日 1時) (レス) id: 885de11009 (このIDを非表示/違反報告)
メロン - 江ノ島くぅぅぅぅん!!。貴方イケメソすぎるよ!!。 (2016年2月13日 13時) (レス) id: c145b12640 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:甘夏蜜柑 | 作成日時:2015年5月4日 0時