3, 練習室へ……？？ ページ4
「ごめん、朔間くん。私、教室に忘れ物した。取りに行ってからそっちに行くから、みなさんに遅れるって伝えておいて貰っていい？」
走ったわけでもないのに、息を荒くするA。
――いつもはこれくらいじゃ、どうってことないのに。やっぱヤバいのかな、A。
「分かった。気をつけてね」
「うん。ありがとう。(はぁはぁ…)」
――息が回ってこない…
周りには誰もいなかった。
2-Bまではまだ距離があった。
――せめて、ノート持ってKnightsの練習室までは行かなくちゃ…
そうすれば、瀬名先輩とかが助けてくれるかもしれないし。
とりあえず、2-Bまでは行かないと…
何とか2-Bにたどり着くことはできた。2-Bには椚がいた。
「ああ、橘さん。いいところに。これを調理室へ運んでくれますか？」
『やってくれますよね？』というような目をしていた椚を断ることができず、
「はっ、はい…」
と答えてしまった。
調理室は練習室と真逆の方向にある。
――仕方ない…行くか…
椚から渡されたものはそんなに重い物ではなかった。
でも、Aの体調は既に限界を迎えていた。
――もう無理…耐えられない…
Aの意識は遠のいていった。
なんとか、保健室まで自力で歩いたが、間に合わなかった。
そしてAは、一階と二階の階段の踊り場で意識を失った。
＊
一方その頃、泉は練習室でブチギレていた。
「A遅すぎるんだけど？ 何してんだよ、あいつ…。ねぇ、くまくんでしょ？ 最後に一緒にいたの」
泉は怒りながら問う。
「なんか、プロデュースノート忘れたって言って、取りに行って…それからは知らない」
凛月は眠たそうにしながら答える。
――A、具合悪そうだったよな…
「俺、ちょっと見てくる。あんたたちは練習しててよねぇ。王様も見といて。」
と言って、泉は練習室を出た。
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作者名：らすく | 作成日時：2017年11月16日 17時
