6話 能力�� ページ9
「いくよ」
私は倒れている男の人の横に膝をついて座り、両手を男の胸の前へかざす。
ゴンも私の横に座り、身を乗り出して何が始まるのだろうかとワクワクしていた。
『
私がそう唱えると、周りの霊気がスーッと私の両手に集まってきて、そのまま男の身体の中へと入っていく。
全ての霊気が入りきった頃には、苦しそうだった男の表情が穏やかなものへと変化していた。
ごめんねゴン。
きっと君には今、何も見えてないよね。
私には周囲に浮いていた霊体が身体の中へ吸い込まれる様子がハッキリと見えている。
だが、"凝"を心得ている者ですら、うっすらとしか見えない私の技を、念が使えないゴンが見えるはずがないのだ。
あれだけ興味を持って、私の技を見たいと言ってくれたばっかりに本当ごめん。
そう思って、ゴンを見ると……
ゴン「おぉぉ……」
「……？？」
ゴンは、何かにとても感動しているようだった。大きな目をキラキラ輝かせ、辺りを何やらキョロキョロしていた。
「ゴン？」
ゴン「ねぇ、今のAがやったの！？」
「え？」
今のって……能力のこと？もしかして……。
「もしかして、見えたの？」
私はこんな事があるのかと思った。
今まで、念使い以外にこの能力が見えた人はいない。
呪術かけられた本人すら感覚がないのが、この能力の特徴だ。
もしかしたら彼にも、私と同じぐらいの霊感があって、元々霊が見えているのではないのか？
ありえない話ではなかった。
しかし、ゴンからの返答は私のこの予想を上回る答えだった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：R子 | 作成日時：2020年2月8日 19時
