▽23 ページ24
.
嫌がらせが無くなったおかげで、部活にまた前みたいに集中できて、楽しくなった。
北が定期的にハグしてくれるおかげで、みんなの前では強くあれた。
でも、私は弱いままだった。
春になって、私たちは3年生になって、双子は2年生になった。
双子の人気は加速するばかりだ。
北も主将としてチームを作っていて、そんな姿は誰の目にもかっこよく映っているのだろう。
よく呼び出されているのを見かける。
それから、その度に今はバレーが大事だから、と断っているのも知っている。
私はどうやら北に惹かれているらしいと、自覚したのはつい最近。
今年同じクラスになった、やけに鋭い尾白に言われて気付いた。
「南ってさ、北のこと、好きやろ」
「多分そうなんやろうなって思ってた」
「なんやそれ」
2人で教室の窓から、中庭に呼び出されている北を見ていた。
北のことだから付き合うはずはないのに、好きだと自覚してからは特にああいうのを見るのが辛くなった。
それと同時に、北とはよくハグしてます、っていう謎の安心感、いやもはやちょっとした優越感があって、余裕ぶっている私もいた。
付き合っているわけでもないし、北が私を好きな保証も1ミリもないのに。
だからといって私は何も動かない、動けない。
だってまたインターハイが迫ってくるし、と言い訳をする。
でも本当に、主将としてその役割を全うしようとする北の足を引っ張るようなことはしたくない。
それは紛れもない本音だった。
だから私は最近ずっと考えていることがある。
.
601人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
なず@ヴィル様の旦那です(プロフ) - うびゃぁ…………今まで読んできた中で一番好きです… (2021年4月10日 16時) (レス) id: c2e37a127a (このIDを非表示/違反報告)
依(プロフ) - ちびさん» そう言ってもらえると嬉しいです^^お読みいただきコメントまで、本当にありがとうございます! (2020年6月5日 22時) (レス) id: 1c396819ac (このIDを非表示/違反報告)
ちび(プロフ) - めっちゃ感動しました!!最高です( ; ; ) (2020年6月2日 20時) (レス) id: c0c643d2d0 (このIDを非表示/違反報告)
Rikka(プロフ) - りるとさん» そう言っていただけて嬉しいです!ありがとうございます^^ (2020年4月17日 8時) (レス) id: 1c396819ac (このIDを非表示/違反報告)
りると - めちゃくちゃいい話でした!! (2020年4月15日 0時) (レス) id: 615da3bcde (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Rikka | 作成日時:2020年3月18日 10時