“記憶の間” 自身の反逆と、責務として ページ7
結果、二人は特に処罰も何もされなかった。
娘の魅姫が殺害され掛けたと言うのに。
自分達は何の咎めも無くのうのうと義理の父と暮らしている。
信じられないが本当に、「許されて」しまっているのだ。
これでは何時また義妹の魅姫の命が狙われるか気が気でない…。
だから狂子は、
「…狂子ちゃん…？」
『ぁ˝？ババァが何の用だァ？』
「
今までの狂子を捨てた、それが˝現在の狂子˝。
恐らく、実母にとって耐え難い事実だったのだろう。
従順な娘が、母である自身に反抗的な態度を取るなんて。
勿論、狂子自身も何も思っていない訳では無い。
…もう母とは思っていないが、一応の家族の情はある。
一番は、真っ当になってほしいと願っている。
が、今までのが今までなだけに躊躇も容赦もしない。
毎回やらかしそうだなと思った際に狂子は。
「お、お嬢様！？何故舞姫様が倒れて…」
『あー、殴った』「殴った！？」
死なせない程度に実母を武力行使で抑え付けていた。
ただしそれだけではない。
魅姫の持病を特定し治療する為に自身も含めた専門の医師を呼び
研究と抗体薬の開発に励んでいた。
義理の父は仕事、並びに自身は学校に
行ってないので有効活用出来ると考えたのだろう。
…此処で余談だが、彼女が今まで飽きた…と言っていた趣味は殆ど
母親に強制されたものだった。
つまり、飽きるも何も最初から好きでも何でも無かった。
ただ知識としてはある、それだけの事だ。
魅「…姉様、最近忙しそうですね」
『えぇ…少し立て込んでいて』
魅「…また時間があれば、姉様の弾き語りが聴きたいです」
そう言われて、狂子は笑う。
『そうね、今度暇だった時に聴かせてあげるわ。
だから今は…寝てちょうだい』
魅「…はい…」
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「………」
蛇「…まぁ、ある意味狂ってたカンジ…」
ミ「で、でも凄くいい子じゃん！元から狂子ちゃんは優しかったけど…」
霧「…だが一つ、疑問がある」
サ「え、何がですか？」
来「何で一年遅れでY学園に入学してきたのか…でしょ」
ゲ「あ…た、確かにおかしいな」
蛇「大方、理由は分かるけど…」
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作者名：徒花(腐女子) | 作成日時：2020年12月7日 12時
