標的30裏 姫は俺のもの−１ ページ35
ベル視点
最初に姫を疑ったのは、マーモンに指摘された時だった。
山本武と仲が良い姫は、もしかしたら沢田綱吉の守護者なんじゃないか。
あの時はマーモンに殺気とナイフを向ける事で誤魔化したが、確かに俺は疑心暗鬼になっていた。
それから雨戦の時、白いマントのガキがチェルベッロからマイクを奪って山本武を鼓舞した。
山本武を慕う、煩い奴。
怪訝にそいつを よく見て、気が付いたんだ。
声は男のそれだが、身長が姫と同じなんじゃないかって。
山本武が強くなったのは、鼓舞したのが姫だったからじゃないかって。
そして俺が確信したのは、雪戦の途中に山本武が言った言葉だった。
スクアーロが白いマントのガキに助言した。
それを聞いた時、ガキと姫が同一人物で、尚且つスクアーロはそれを知っていた事を悟った。
俺の中の姫は、何も知らない無垢な女。
ファルソに敗北したらと心配になった一方、裏切られた気持ちになった。
(此奴は本気を出していない)
俺のナイフを避け、棍を振るう白いマントのガキは、雪戦の時と比べて明らかに弱かった。
敵意も殺気も感じなければ、一つ一つの動作に切れが無い。
俺と戦う事を躊躇っている事は、対面している俺にはすぐに分かった。
ワイヤーで棍を封印しても、ガキが魔術を使う気配は無い。
「敵として見られないんだろ」俺がそう訊くと、姫は男の声で「なっ」と声を漏らした。
当たりだった。
姫を殺してしまおう。
でも簡単には死なせてやらない。
もがき苦しみ、醜い顔で命乞いする処を見てやろう。
王子の心を奪って置きながら裏切った罪は重いのだ。
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ゆきな(プロフ) - これからも無理せずに頑張ってください！ (2019年7月2日 18時) (
レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
シロ(プロフ) - 続編おめでとうございます！いつも楽しみにしております！これからもどうぞ無理をしない程度に頑張って下さい。 (2019年4月27日 13時) (レス) id: 1e9e5f7638 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レイチェル | 作成日時：2019年4月27日 10時
