標的30裏 姫は俺のもの−２ ページ36
ベル視点
姫の身体を壁に縫い付け、忌々しい白のベールを剥がした。
そうして現れたのは、絶望と恐怖を映した姫の白い顔だった。
俺が眼球にナイフの先端を近づければ、姫は深緑の目を大きく見開き、今にも泣きそうな顔をした。
大粒の涙を目に溜めて、恐怖で真ともに息が出来ない姫を見ると、興奮と怒りが混ざった変な気持ちになった。
俺がこの手で眼球を抉れば、姫は鮮やかな生血で自分の顔を汚す。
激痛に顔を歪ませて、痛い痛いと悶える。
俺が大好きだった姫が今以上に絶望し、断末魔を上げる姿を想像しただけで ぞくぞくする。
その反面、俺の敵になった挙句、商店街で会った時に白々しく久しぶりだと言い退けた姫にふつふつと怒りが湧き上がって来る。
姫をより怖がらせる為に「何方にしようかなー」と歌って焦らす。
姫が唇を震わせながら俺を呼んだ。
嗄れ声、俺を怖がる声。
その時、俺は本当に姫を殺して良いのか分からなくなった。
久しぶりに姫を見て、俺は嬉しかった。
抱き締められて耳まで赤くしながらも受け入れてくれた姫を、どうしようも無く愛おしく感じた。
また姫の可愛い所を見たい、俺の傍にいて欲しい、俺だけを見て欲しい。
その気持ちを思い出したら、姫を殺したいなんて思えなくなった。
ナイフを離して、恐怖で真っ青になった姫の顔をフードで隠した。
俺は姫の笑った顔が見たいんだ。
｢うっそー。俺が姫に手ぇ出すと思った？
んな訳無いじゃん｣
姫を安心させる様に言い、俺はポールを倒して霧の指輪を手に入れた。
忘れていたが、今は大空戦の真っ最中である。
「遅い」とマーモンに怒られたが、それには答えずに眼帯の女をワイヤーで吊るし上げる。
どれ位経ったかは分からないが、ほんの二、三分では無かった。
そろそろ此処にも沢田綱吉の守護者が来るだろう。
眼帯の女を吊るし終えた頃、隣にいたマーモンに尋ねられた。
｢君、本気で殺そうとしてただろ｣
｢まさか。本部に帰ったら色んな物食べさせたり、可愛い服着せたり、甘やかしてやりたいーって考えてたんだよ。
勿論、部屋からは出せねーけどな｣
｢本当に君は悪趣味だね｣
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ゆきな(プロフ) - これからも無理せずに頑張ってください！ (2019年7月2日 18時) (
レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
シロ(プロフ) - 続編おめでとうございます！いつも楽しみにしております！これからもどうぞ無理をしない程度に頑張って下さい。 (2019年4月27日 13時) (レス) id: 1e9e5f7638 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レイチェル | 作成日時：2019年4月27日 10時
