【黒バス】R【黒子テツヤ】

「呼び方」 ページ9

「あ、あの、私たち、友達に……」

「……さっきさぁ、宏兄桃井のことなんて言ってた？……で、私、何て返してた？」


かすかな声を遮ってから、ひとつあくびをした。


またハンバーグを切って口に運ぶ。



美味い。



美味すぎて週一で通ってるからヤバい。



体重の管理が最近甘くなってんな、と思った。




で、そういえば何も返事帰ってこねぇなーと思って。

フォークを口にしたまま桃井を見上げたら、少し驚いてた顔がみるみる赤くなってく。



「〜〜〜〜！！！」


口を閉ざしたまま変な声を出した桃井は、すごい勢いでハンバーグを食べだした。



……かと思ったら急に動きを止める。



情緒不安定かよ、笑うわ。



「……す、すごく嬉しい。わ、私あんまり女の子の友達いなくて……」



桃井がハンバーグを見つめたままそう喋るもんだから、何だお前ハンバーグに向かって喋ってんのか、って流石に笑った。



「な、なんか笑われてる……

あ、あの、友達なら、神様って呼ぶの変だね」

「あー好きに呼んでー」


スマホをいじりながら言うと、「よろしくね、藍里さん」って気まずい声。


視線を画面から上に移すと、桃井の笑顔。


なんかそれが、変に陰ってたから、何となくスマホを持つ手を挙げてちょっと桃井を見る。



桃井は戸惑った顔をしながらも、おずおずと画面の中に入って顔の横にピースを作った。



カシャリと音が鳴る。


腕を折ってスマホを手元に戻した。



自撮りしたらすぐ確認、これ鉄則。



……うわ、桃井写真写りいいな。



写真の加工が終わって、困惑している桃井に言う。


「あのさ、私、『好きに呼んで』っつったんだけど」

「……！！



……や、やっぱり、Aちゃんって呼ぶ！！！」



そんとき、なんとなーく、コイツとは長い付き合いになるんじゃね、って思った。









『ねぇねぇ、Aちゃんってモデルしてるんだよね？
』

『あーまぁね、サロモだけど……ってかお前急に勢いヤバくない？』

『気のせいだよ！あ、電話……』

『あ、彼氏？ボーイフレンド？』

『な、なんで今英語で言い直したの、っふふ……違う違う、幼なじみだよ。だから出なくていいや』

『つめたいなお前』

『だってひどいんだよ、大ちゃんったら！！今日だってドタキャンして！！！！』

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