「白百合と百日紅」 ページ27
高そうな着物を着せられ、客間のような部屋に通される。
そこもやっぱり和室で、座布団が並んでたから黒子に倣ってそこに座ったけど、当然正座なので、20分ほど経った今は足が痺れてきてる。
足先を襲う違和感に顔を少し顰めつつ黒子の表情を窺って見たけど、何とも無さそうな顔で凛と姿勢よく座っているので溜息出そうになった。
小さい頃、正座ばかりしていると脚が短くなる、と聞いたから、私はなるべく正座を避けるようにしてきた。
こんな格式張った家で育ってきた黒子にとっては、正座はかなり日常的な姿勢なんだとは思うけど。
ふと、黒子に初めて会ったときの回し蹴りが頭を掠める。
……やっぱ正座すると脚短くなるってガセだったんかな。
そんな馬鹿っぽいことを考えてれば、すー、と、襖の開く音。
いよいよ�牴颪辰突澆靴た有瓩里�出ましらしい。
振り返って見てみれば、とてつもない美人と、物静かそうな中性的な顔立ちをした男が、これまた高そうな着物を纏って凛と立っていた。
男の方は確かに華やかな感じでは無かったけど、隣にいる美人のせいで更に霞んで見えた。
「おかえりなさい」という黒子に対して、その美人は「ただいま」と思ったより可愛らしい声で答えて、こっちに視線を寄越す。
なんかもう目力が凄すぎて、マスカラとアイラインどこの使ってんのか聞きたいとこだったけど、目が合った瞬間にその威圧感に負けて反射で頭下げてた。
視界に入ってなくてもわかる、多分今めっちゃ見られてんな。
全然掴みきれないこの状況から逃げるように、頭下げたまんまとりあえずこの美人のアイメイクについて考えてみる。
……やっぱヘレナかな、でもあれリムーバーねぇと落ちねぇんだよな、めっちゃ高いし。
その脳内逃避が、「とりあえず今度久々にヘレナを使ってみる」という結論に至った辺りで、目の前の足が動き出す。
多分うちらの目の前の席に着くっぽい。
脚を視線で追って、座布団に腰を下ろしたのを確認してから、ようやく顔を上げた。
……いやマッジで美人だな。
「貴女」
「……はい」
目力に気圧されてちょっと反応が遅れた。
でもあっちは気にしてないみたいで、そのまま「お名前は？」と続ける。
何これ、面接？
「……藍里Aと申します」
堅苦しい雰囲気に引っ張られてオーディションのノリで答えたけど、返って来たのは「ふーん」だけだった。
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水団子(プロフ) - 歌柚さん» 話の展開を褒めて頂き光栄です、、！！！拙い文に亀更新で申しわけありませんが、楽しんで頂けると嬉しいです！コメントありがとうございました！ (2021年8月31日 3時) (
レス) id: 4f5e2162c5 (このIDを非表示/違反報告)
水団子(プロフ) - 光華さん» めちゃくちゃ嬉しいです、、恐ろしい程更新が遅いですが、最後までお付き合い頂ければ幸いです。コメントありがとうございました！ (2021年8月31日 3時) (レス) id: 4f5e2162c5 (このIDを非表示/違反報告)
歌柚 - コメント失礼します。ストーリや話の展開が面白くて楽しく見させてもらってます！ストーリ更新楽しみに待ってます！！ (2021年7月13日 21時) (レス) id: f33fb75788 (このIDを非表示/違反報告)
光華(プロフ) - 好きです！更新応援してます！ (2021年5月16日 10時) (レス) id: a571740452 (このIDを非表示/違反報告)
水団子(プロフ) - よもぎお餅さん» 黒子くんのお家に行こうと尾行したら見失った、というエピソードが好きでそこから色々と捏造を重ねたらこんな黒子くんが出来上がりました(^-^)主人公らしからぬミステリアスさが魅力だと思っています！コメントありがとうございました！！ (2019年6月19日 20時) (レス) id: f26d4bb807 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：水団子 | 作成日時：2016年9月16日 0時
