「月下美人」 ページ26
早く出てけ、という意味を込めて手をぶらぶらと振っても、黒子は動かない。
……あーもうこいつまじで何考えてんのかわからん。
「まだ何か＿＿」
瞬間、黒子が笑った。
今までの笑顔とはちょっと違う、何か愛おしいものでも見つめるような目で。
嫌な汗が背中を伝うのを感じた。
見惚れる、とかじゃなくて。
この世のものとは思えない澄んだ顔に、熱っぽい瞳。
その齟齬の異質さに声が出なくなった。
「Aさんに危害は加えませんよ。それは誓います」
「は……？」
かろうじて出てきた一声を気にせず、黒子は「では」と言って襖を閉じた。
頭ん中読まれた、とか。
今名前呼ばれた、とか。
そんな事よりも、黒子があんな、人間みたいな表情すると思わなかった。
……いや人間だけど。
思った以上に私は黒子を神聖化してたらしい、自分キモすぎ吐きそう。
黒子のちぐはぐな感じは元々あったけど。
そういうギャップ、みたいなの見る度に興味湧くのと一緒に謎に不安になる。
他人の笑顔見て冷や汗かくとは思わなかった。
別に黒子が人間だと思えないわけじゃない。
�犲�分と同じ�瓩世隼廚┐覆い世韻如�
この理論で行くと私が人間じゃないってことになるな、ウケる。
だって、なんか。
黒子が必死になってるとことか、想像できない。
私みたいに、生きるの下手くそじゃない、多分。
勉強も、
人間関係も、
恋愛も。
目をつむっても、あいつの綺麗さからは離れ難かった。
＿＿私、黒子になりたい。
浅い眠りの中で意識ふわふわさせてただけだから、襖の開く音で目を覚ました。
「あ、おはようございます」
そう言う黒子を横目にスマホに手を伸ばして画面を見やると、10時15分。
�牴颪錣擦燭た有瓩�もう着いてんのかはわかんないけど、黒子が来たならもう起きろってことだろうと思って体を起こす。
……と、そこから黒子が何故か私の腕と腰に手をやって立ち上がらせた。
「え、何……」
「ちょっと準備してもらいたくて」
「は？」
そのまま手を引かれて連れて部屋を出た。
「お風呂入った後で申し訳ないんですけど、身なりにはわりと厳しくて」
入った部屋には、化粧道具だの和服だのを手に持ったお姉さんが10人近くずらりと並んでて。
「じゃあ、すみません、後はよろしくお願いします」
お姉さん方はそれに角度を付けた礼と「承知致しました」の言葉で返す。
……今日死ぬほど着替えてる気がするんだけど。
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水団子(プロフ) - 歌柚さん» 話の展開を褒めて頂き光栄です、、！！！拙い文に亀更新で申しわけありませんが、楽しんで頂けると嬉しいです！コメントありがとうございました！ (2021年8月31日 3時) (
レス) id: 4f5e2162c5 (このIDを非表示/違反報告)
水団子(プロフ) - 光華さん» めちゃくちゃ嬉しいです、、恐ろしい程更新が遅いですが、最後までお付き合い頂ければ幸いです。コメントありがとうございました！ (2021年8月31日 3時) (レス) id: 4f5e2162c5 (このIDを非表示/違反報告)
歌柚 - コメント失礼します。ストーリや話の展開が面白くて楽しく見させてもらってます！ストーリ更新楽しみに待ってます！！ (2021年7月13日 21時) (レス) id: f33fb75788 (このIDを非表示/違反報告)
光華(プロフ) - 好きです！更新応援してます！ (2021年5月16日 10時) (レス) id: a571740452 (このIDを非表示/違反報告)
水団子(プロフ) - よもぎお餅さん» 黒子くんのお家に行こうと尾行したら見失った、というエピソードが好きでそこから色々と捏造を重ねたらこんな黒子くんが出来上がりました(^-^)主人公らしからぬミステリアスさが魅力だと思っています！コメントありがとうございました！！ (2019年6月19日 20時) (レス) id: f26d4bb807 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：水団子 | 作成日時：2016年9月16日 0時
