【黒バス】R【黒子テツヤ】

「二度目まして」 ページ12

仕事終わって、みんなとカラオケ行って、よっしゃ帰ろ、ってなったのに。


今更学校にリップ忘れたのに気付いた。


明日学校行くつもりもないし、あれイヴサンローランのわりとお気に入りのやつだったし、めんどくさいけど学校に戻った。



もう7時くらいになっていて、もうそろそろ夏だとはいえ、空は仄暗くなっていた。


帝光の最寄り駅について、学校に向かって歩き出したけど、こっちに向かって流れてくる帝光生たちを見て、戻ってきたのを後悔した。



時間的に、部活が終わって、生徒達が一斉に帰る頃みたいで。



自分で言うのもなんだけど、学校内で私は有名人だろーし、知らなくても、バリバリアレンジしてるとはいえ、一応帝光の制服着てるから。



すれ違う人がいちいち振り返って、こっちを見てくる。


あーうっぜぇ。


こんなんなら着替えなければよかった。



学校なんかほとんど来ないのに、私たちが制服着てんのは、ちょっとでも帝光の悪評広まればいーなーっておもってるから。


今日は何通の電話が帝光にかかってきたんだろって考えて、ちょっと気分良くなる。



と、前からすげー速さで迫ってくる物体。


チラリとピンクの髪が揺れたのが見えた。


「Aちゃあぁぁぁあぁぁん！！！！！」


それは、抱きついてきたというよりはタックルしてきたって言うほうが正しい。


「桃井……お前殺す気かよ……」

「珍しいね、学校いるの……一緒に帰ろ！！」


話聞いてないの安定かよ……

「いや、これから忘れ物取りに行くから」

「じゃあ私も一緒に行く！」


ニコニコと言う桃井。

はいはい、と頭を撫でてから顔を上げると、桃井に遅れてカラフル頭たちがやって来ていた。


その中に……

あのときの、水色。



そいつはペコリと小さく頭を下げて、少し笑った。


それに反応することもできずに突っ立っていると、

「ごめん私Aちゃんと学校もどるね！！先行ってて」

とカラフルたちに告げた桃井が私の手を引っ張る。



なんか頭回んない。


会えた、けど。


え、なに、あいつやっぱりバスケ部ってこと？

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