12話 どうして？ ページ6
「はい、あーん♪」
「えっと…」
タクシーみたいにリムジンを呼んだかと思ったら、来たこともないカフェに連れてこられて、すごく綺麗なテラス席に案内された。
しかも、何この状況…？
「もう、なに？この僕がわざわざあーん♪をしてあげてるんだから、大人しく食べてよね」
むすっとした顔でこちらにケーキが刺さったフォークを差し出してくる。
周りに人はいないけど、どう頑張ったって恥ずかしいし、意味わかんないよ…！！
でもこのまま拒否し続けると日和さんの機嫌を損ねちゃいそうだ。
「あ、あー…」
「ふふっ、はい、あーん」
満足気に私の口の中にケーキを放り込んで、私が咀嚼するのを眺める。
何が楽しいんだろう…？
「どう？おいしい？」
「すごいおいしいです…」
メニュー表は私が見ることなく下げられてしまったから、これがどういうケーキなのかも、値段も分からない…けど、すごく美味しい。
「うんうん、ここのケーキは美味しいよねっ！巴の傘下にある料理屋は僕の舌が許さない限り店にならないね！」
やっぱり日和さんちの系列店なんだ…
アイドルってお金持ちが多いのかな？
「日和さんは食べないんですか？」
「日和"さん"？」
「…日和、は、食べないんですか…」
そこまで怪訝な顔をされるとは思わなかったから、何かと思った…
呼び捨てに慣れる日は一生来なさそうだ。
「うーん…呼び捨てにするのに敬語なのは不自然だね。ねぇ、Aちゃん、敬語をやめてくれない？」
「は…、敬語をやめる、ですか」
突拍子もない提案に驚いて目がまるくなる。
いやいや、タメ口？そんなのできるわけ…
「君のお友達は君に呼び捨てにされて友達言葉で話されるんでしょ？僕に対する敬意があるのは大いに結構だけれど、壁を感じるのは嫌なんだよね」
「いやっ、でも、ただのいちプロデューサーでしかなくて、私は日和さんのお友達ではないですし…！」
「うん…僕を友達だと思うのはなんだか癪だけどね。でもまぁ、僕とふたりきりの時は、敬語やめてね？きまり！わかった？」
いま、日和さんによって勝手に決まった…
「それで話してみてよ、ほら。さっき僕に言ったのを」
どうして？プライドが高い日和さんなら、馴れ馴れしくタメ口で話されるほうが嫌なんじゃないのかな。
「…ひ、より、は、ケーキ、食べないの？」
どうしてもたどたどしくなる。
なんだか喋り方を意識したら恥ずかしいし、なにせ、相手が…
「…うん、じゃあ、Aちゃんが食べさせて？」
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楓(プロフ) - ななこさん» とても嬉しいです!!これからもご愛読頂けたら嬉しいです^^♡ (9月23日 0時) (
レス) id: a194f605ec (このIDを非表示/違反報告)
ななこ - 面白すぎて一気読みしちゃいました( ; ; ) 更新これからも頑張ってください！ (9月5日 1時) (レス) id: cef98c867c (このIDを非表示/違反報告)
楓(プロフ) - ニコさん» お待たせしてます〜！申し訳ないです！(;_;)すごく励みになります！不定期すぎますが気長にお待ちいただけるととても嬉しいです…！ありがとうございます！ (8月14日 1時) (レス) @page13 id: a194f605ec (このIDを非表示/違反報告)
ニコ(プロフ) - 最新話きちゃ〜お疲れ様です！！相変わらず面白いです！！無理のない程度に連載頑張って下さい！！ (8月14日 0時) (レス) @page13 id: 3cff96fe75 (このIDを非表示/違反報告)
楓(プロフ) - 苺姫さん» コメントありがとうございます！大変励みになります！検閲のご協力ありがとうございます、訂正致しました！ (2022年12月7日 23時) (レス) id: a194f605ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：楓 | 作成日時：2022年1月5日 20時
