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隠された事実 ページ35

「大アリだ。本人の許諾無しで、永遠を生きる選択をさせるなんて……」

「そうですかね?きっと彼女は受け入れてくれますよ」

「……有り得ない……」


ヘビ五郎が身体を低くし、アズールを睨みつける。
対するアズールは、眠っているAに向き、頬を撫で、口を開いた。


「人魚の肉は食べたからと言って、すぐに不老不死になる訳ではありません」

「は?」

「食べてから数時間で身体が急激に変化します。しかし、余りの急激さに、大抵の人間は死んでしまうんです」

「……何が言いたいんだ?」

「……彼女が激痛に耐えうるよう、鎮痛剤と僕の肉を食事に混ぜこみ、仕込むのには苦労しましたよ」


笑顔で事を説明するアズール。
自分の疑いを飲み込んだ目の前の男に、ヘビ五郎は一瞬、身が震えた。


「は……?」

「身体の強化も必要で、必要な魔法薬の種類には目眩を起こすかと思いました。しかし、これも必要な出資です。Aさんの為を思えば、惜しくはなかった。……ですが、誤算でした」


ふっ、とアズールの視線がヘビ五郎に戻る。


「ヘビ五郎さん。魔法薬の効果と、人魚の肉が持つ効果……軽減させましたね?」

「当たり前だ……自分の主人だぞ!守らなくてどうするんだ!」

「残念です。人に寄り添った神ならば、わかってくださると思っていたんですが……」

「……頭おかしいよ、お前」

「どうとでも言ってください。その様子だと、消し去る事は出来なかったようですから」

「……人魚の寿命は生きるかもね」

「そんな事を言って頂けるなんて!ふふ……安心しました」


アズールがにっこりと笑った頃合いで、ベッドがモゾモゾと動き出す。
青い瞳が様子を見ると、気だるそうにAが瞼を開いていた。


「んん……酷い、なぁ……はぁ……」

「Aさん、お目覚めですか。良かった……」


白々しく、心配する様な素振りをするアズールに、ヘビ五郎は威嚇を続けていた。
しかし、寄らない訳にも行かず、そろそろと彼女の右足に絡む。


「ヘビ五郎、酷いじゃんか。無理やり寝かせるなんて」

「あ、ごめんね……」

「聞かれたくないなら、そう言ってくれれば良いのに……」

「……うん」

「何。大人しいね」

「いや、その……」

「大丈夫だよ。何となくわかってるから」

「「えっ!?」」

「え?ヘビ五郎の魔力が漏れちゃったんだろ?神様の魔力だし、私は魔力持たないし……」

「いや──」

「そうなんです!でも、無事で良かった……安心しましたよ」

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とある誰かの作品倉庫(プロフ) - 茨の國のぼっちさん» ありがとうございます!!!もう願望詰め放題パラダイス(???)な自己満作品なのですが、喜んで頂けて泣いて喜んでおります!!(セベクボイス)結構お話も長いと思いますので、ぜひ、ご自分に合ったペースで読み進めて頂けると幸いです(笑) (2021年5月6日 20時) (レス) id: ba04661380 (このIDを非表示/違反報告)
茨の國のぼっち(プロフ) - この作品にすごくハマりました!夢主とアズールの性格と、糖度が好きすぎます!一気に読んだらすぐ終わっちゃうので、一日頑張ったご褒美に読んでますw (2021年5月6日 18時) (レス) id: 9a68fed22a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:とある誰かの作品倉庫 | 作成日時:2020年12月24日 9時

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