こんな魔法アリ? ページ44
オクタヴィネル寮の廊下で、ぺたぺたと走り回る銀髪の少年。笑顔で楽しそうに駆け回る少年の齢は、(見た目的に)幼稚園生と思われる。
それと良く似た容貌の銀髪の青年が、後を追いかける。
「こら!ちょっ……待ちなさい!!」
そんな声を上げ、息を切らしながら捕まえる青年。その追いかけ回した足で、自室に戻る。
「アズ、おかえ──え、隠し子?」
「何を言ってるんですか」
青年──アズールが自室に入れば、ベッドに腰掛け、本を読む黒髪の女性──Aの姿が。
呆れつつドアを閉めるアズール。
彼女が本から顔を上げた瞬間、問いに答える様に少年がAに飛びつく。
「ママぁ!」
「ママぁ!?私はまだ子供を産んだ記憶はないぞ!?」
「せ、説明しますよ……」
「ママぁ、だっこ〜」
「あぁ、はいはい……ママじゃないけど……」
よじ登る少年を抱き上げ、自身の足の上に乗せてやり、軽く撫でてやるA。
その様子を見て呆けてから、アズールは咳払いをして口を開いた。
「同じクラスの生徒のユニーク魔法が完成しまして……」
「おぉ、おめでたいね」
「その魔法が、『対象の幼少期を人間として表現し、近くに出現させる』効果を持ちまして……」
「何その全く使えなさそうな魔法……」
「商売としては成り立つかと。ほら、不妊などで子供を諦めた方々に、せめてもの夢を持たせるなど……」
「孫の顔が見たいって騒ぐ、親や姑を取り敢えず黙らせるとか?」
「……この魔法、需要がニッチですね」
「でも、良い商売だよ」
「否定出来ないな……」
「パパ、ママ、むずかしい話してるの?」
「パパだってよ、アズ?」
「〜〜〜〜っっっ!!ぱ……パパですよ〜!」
「デレデレじゃねぇか」
「子供って良いですね!」
「本物は絶対に産まないからな」
「わかってますよ。夢から無理に引きずり出さないでくれませんか?」
「でも、可愛いのは認める。アズそっくり」
「んん……ママぁ?」
「……寂しいの?じゃあ……お名前何ですか〜?」
「あず!」
「そりゃそうだわな。アズの幼少期を再現してんだし」
「ママ!」
「はいはい、なぁに?」
「大好き!」
「ん。ママも好きよ」
「んん……えへへ……なでなで、きもちいいね。僕もなでなでしてあげるっ!」
「そう、有難う」
「……では、ラウンジの営業時間の間は、頼みましたよ」
「はいよ。ほらアズ君、ご挨拶なさい?」
「がんばってね、パパ!」
「くぅ……っ!行ってきます……!」
55人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ツイステ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
とある誰かの作品倉庫(プロフ) - 茨の國のぼっちさん» ありがとうございます!!!もう願望詰め放題パラダイス(???)な自己満作品なのですが、喜んで頂けて泣いて喜んでおります!!(セベクボイス)結構お話も長いと思いますので、ぜひ、ご自分に合ったペースで読み進めて頂けると幸いです(笑) (2021年5月6日 20時) (レス) id: ba04661380 (このIDを非表示/違反報告)
茨の國のぼっち(プロフ) - この作品にすごくハマりました!夢主とアズールの性格と、糖度が好きすぎます!一気に読んだらすぐ終わっちゃうので、一日頑張ったご褒美に読んでますw (2021年5月6日 18時) (レス) id: 9a68fed22a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:とある誰かの作品倉庫 | 作成日時:2020年12月24日 9時