稚魚のが本能的だよね ページ45
「アズ〜」
「ママぁ!」
「うん、お前じゃないね、ジュニア……」
「お呼びなのは僕でしょう。何ですか?」
「ちょっと、プール行きたいんだけど……アレ、ある?」
「……はぁ……タダじゃないんですよ?」
「ごめんよ」
「構いません。金に糸目を付けない、と宣言してますので」
「覚えてたんだ」
「僕を何だと思ってるんですか」
「ごめんって」
「はい、どうぞ」
「ん。雪○コーヒーに混ぜてもいい?」
「何かに混ぜても効果は変わりません。好きにしなさい」
「ん。ジュニア。お前、人魚になれる?」
「なれる!」
「よし、いいだろう。人魚になって、パパにプールまで連れてってもらいな」
「僕が行くんですか……ほら、行きますよ。ジュニア」
「はぁい!」
─────
「おーおー。二代アズが仲良く遊んでんね」
「僕には仕事もあるんですがね」
「ママぁ!あそぼ!」
「はいはい。よっ……おぉ。ジュニア、意外に力持ちだな……」
「ママ、軽いね。大丈夫?」
「ママの適正体重はコレだよ」
「お前が心配する事ではありませんよ、ジュニア」
「うん……」
「ほら、ジュニアのしたいようにしな?穏やかな海だから、好きに泳ぎなさい」
「うん!」
「……荷物か私は?」
「受け渡された僕も、少し困惑しているのですが……」
「あー……離していいよ」
「……離しますよ?」
「はいよ」
「……うん。おっけー」
「では、僕は仕事に戻りますよ」
「ん。ありがと」
「いえいえ。良い息抜きになりました。では」
「……ふふ、楽しそうだね」
「?……ママは遊ばないの?」
「海での遊び方、わかんないからなぁ……」
「…………人間って、脆いんだよね」
「え?あぁ……そうだね」
「…………」
プールの底。
上にある水面から差す光をぼんやりと眺めるA。
そんな彼女の胴に、足に、シュルシュルとタコ足が絡んでいく。
瞬間。
「やめなさい。人は驚く程に脆いと教えたでしょう?」
「パパ?」
「アズ。仕事は?」
「その前に、一回様子見で振り返ってみたんです。案の定でしたね」
「案の定?え?」
「ジュニア、よく聞きなさい」
「うん」
「人というものは、すぐに傷付き、すぐに死んでしまうんです。もし、お前が僕の番であるAさんを殺した、その時は──」
「?」
「──僕がお前を殺します」
「アズ?ちょっと、この子には……」
「ユニーク魔法の持続時間。それより先に死にたくはないでしょう?という事ですよ」
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とある誰かの作品倉庫(プロフ) - 茨の國のぼっちさん» ありがとうございます!!!もう願望詰め放題パラダイス(???)な自己満作品なのですが、喜んで頂けて泣いて喜んでおります!!(セベクボイス)結構お話も長いと思いますので、ぜひ、ご自分に合ったペースで読み進めて頂けると幸いです(笑) (2021年5月6日 20時) (レス) id: ba04661380 (このIDを非表示/違反報告)
茨の國のぼっち(プロフ) - この作品にすごくハマりました!夢主とアズールの性格と、糖度が好きすぎます!一気に読んだらすぐ終わっちゃうので、一日頑張ったご褒美に読んでますw (2021年5月6日 18時) (レス) id: 9a68fed22a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:とある誰かの作品倉庫 | 作成日時:2020年12月24日 9時