人魚になると…… ページ42
「おぉ……本当に人魚になった……」
「……タコ、ですか……」
「いやまぁ、アズの肉食ってんだし。性質はそっちに行くわな」
「Aさんがこうなると、全身真っ黒過ぎますね」
「disってんのか？」
「本当に闇夜に溶け込みそうな見た目になりましたね、という話です」
「色彩バランスが大変宜しくないね」
「……んっふふ」
「うわ、何？」
「いえいえ！同じ種族になった喜びを噛み締めているだけですよ」
「アズが引っ張った性質だけどな」
「……まぁ、元の名残のような特徴が所々見て取れますからね」
「マジ？」
「えぇ。歌声の美しさは損なう事がなかったようで、安堵しています」
「んー、そっか？」
「一度、実験でもしましょうか」
「何のだよ……」
「丁度、生簀の中で人魚になったんです。何か一曲どうぞ。ほら」
「んぇえ？うーん……」
───
「『「ノロマで良〜い、この道は！間違ってなん〜か、いないさ！いこう〜！！』♪」
「……選曲に悪意がある気がするのは僕だけでしょうか？」
「人生ってのはね、遠回りなくらいが一番いいんだよ」
「何故、僕は勇気づけられてるのか……まぁ、良いでしょう。検証結果は出ましたし」
「あ、そう？」
「生簀の魚も寄って来てますし、ラウンジのお客様の目も惹きました。上々ですね」
「あ、そりゃどーも？」
「後は録音した音源でどれだけの効果があるかだな……外見の公開が珍しいというだけという可能性も否定出来ない……」
「お、おう？」
「……そろそろ薬の効果が切れる頃です。上がりましょうか」
「おっけー」
「……泳ぎ方の覚えが早いな……」
「ん？アズの見て覚えた」
「……そう言えば、Aさんは天才型でしたね」
「らしいね。……うげ、なんか吐きそう」
「ここで吐くな」
「うん……」
「はぁっ……ほら、上がって」
「はーい」
「……そろそろか」
「おお。人間に戻った」
「吐き気は？」
「無くなったぁ」
「矢張り、墨吐きでしたか」
「成程。難儀だねぇ」
「……口、借りますね」
「はいはい。あー」
「ん……んんﾞっ……ぅﾞ……」
「んっ……ん、ぅ……んむ……んﾞ！？ゲホッ！」
「はぁー……飲み切れてませんよ……」
「悪い……んでも美味いな、やっぱり……データ上、イカ墨より旨味が詰まってるだけあるわ」
「他からすれば、頭がおかしいとしか思えない発言ですね」
「でも美味しいのは確か。次はパスタが良いな」
「機会があれば、作りましょうか」
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とある誰かの作品倉庫(プロフ) - 茨の國のぼっちさん» ありがとうございます！！！もう願望詰め放題パラダイス(？？？)な自己満作品なのですが、喜んで頂けて泣いて喜んでおります！！(セベクボイス)結構お話も長いと思いますので、ぜひ、ご自分に合ったペースで読み進めて頂けると幸いです（笑） (2021年5月6日 20時) (
レス) id: ba04661380 (このIDを非表示/違反報告)
茨の國のぼっち(プロフ) - この作品にすごくハマりました！夢主とアズールの性格と、糖度が好きすぎます！一気に読んだらすぐ終わっちゃうので、一日頑張ったご褒美に読んでますw (2021年5月6日 18時) (レス) id: 9a68fed22a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とある誰かの作品倉庫 | 作成日時：2020年12月24日 9時
