検索窓
今日:3 hit、昨日:20 hit、合計:152,549 hit

14 ページ17

貴女『私は、慣れているからいいんです。
高尾さんは一人でいる事を知らないでしょう。』


高尾「じゃあ、なんで"独りでいる事"に慣れてるんだよ。」


自分の意識で人を避けていた
誰かと一緒にいて自分が傷付く事を恐れたから


貴女『・・・』


高尾「ずっと独りで、係の仕事とか俺が手伝おうとしても断るし。
俺のこと、そんなに頼りないのかよ・・・」



彼は怒り口調でうるうると目に涙を溜めている


貴女『頼っても、私が迷惑をかけるだけです。』


高尾「!・・・だから

貴女『分からないんです。
今まで誰かと接して、頼った事が無いんです。
日常生活でも仕事でも。』


・・・は?何だよそれ・・・・」


貴女『私が誰かに頼れば、その誰かに迷惑がかかる。
少なくとも、私はそう"教えられました"。』


高尾「っ、誰にだよ。」


前世での上司だなんて言えない
上司の口癖は
「会社の為に働け。」
だった


私は文字の通り身を粉にして働いた
結果的に死んでしまった訳だが


貴女『それは言えません。
ただ、教えた人はこの世にいない。それだけです。』


高尾「・・・!?」




貴女『いや、消えたのは私の方ですかね。』





高尾「・・・俺はAが何を背負ってんのかも、何にも知らないけどさ、それでも・・・





友達だろ?」


温かい人の肌の温度
目の前には黒髪


あぁ、抱きしめられているんだな
抱きしめられるのはいつぶりだっただろうか


高尾「一人で抱え込まなくて良いし、俺を頼って欲しいし、




Aの事、絶対一人にさせねーから。」




初めて言われた
成長するにつれ、家族にも他人行儀な態度を取っていた私は「一人にしない」そんな言葉を二度目の人生で聞く事となった



関わりたくない、そう思っているはずなのに、ここはどうも居心地が良すぎる




貴女『ありがとう。』



彼の耳元で呟くと彼は悪戯な笑みを浮かべながら




高尾「!・・・どういたしまして!!」

15→←13



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (119 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
327人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

匿名希望 - 続編のパスワードを教えていただいくことは可能でしょうか。 (4月16日 16時) (レス) id: eabc278b73 (このIDを非表示/違反報告)
Cーちゃん(プロフ) - 続編が気になるのですがパスワードを教えていただきまさんか。 (10月10日 16時) (レス) id: 43bdb2981e (このIDを非表示/違反報告)
Cーちゃん(プロフ) - とても面白かったです。 (10月10日 16時) (レス) id: 43bdb2981e (このIDを非表示/違反報告)
理菜(プロフ) - 続編のパスワードを教えていただけませんか? (8月11日 15時) (レス) id: e915ea8413 (このIDを非表示/違反報告)
kikuti0914sora(プロフ) - 続編のパスワードを教えてもらうことわ可能でしょうか (2023年4月22日 17時) (レス) id: 0949eefd09 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:彼岸 椿 | 作成日時:2019年6月17日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。