元社畜は転生して黒バスの世界でモブとして生きたい【黒子のバスケ】 (ページ46)

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43 高尾side ページ46

すげぇ恥ずかしい勘違いしちまった･･･

でも、屋上のフェンスに手を掛けていたAは酷く儚げで、今にでもそこから飛び降りようとでもしているのかと思ってしまったのだ。

基本的に無表情なのと、下を見下ろしていて伏せ目がちになっていたのも相まって、思い詰めたような表情になっていた。

　『悩んでいる方が阿保らしい。』

俺の前では表情を少しだが動かしてくれるA。
呆れたとでも言う様な表情を見せ、そんな事を言うもんだからつい笑ってしまった。

昼休みが終わる10分程前に教室に戻り次の授業、算数の用意をしてAに話し掛けに行った。

高尾「･･･あれ？いねぇ･･･
なぁ、Aどこ行ったか知らね？」

近くにいた女子に聞くと、「美羽ちゃんと隣の空き教室に行った。」と返された。

如月サン？何でまた･･･と思いながら空き教室に向かうと

如月「高尾くんに近付かないで。」

如月サンの声だった。
盗み聞きするつもりはなかったけど、一応隠れる為にしゃがむ。

俺に近付くなとか、何なんだよ。
どっちかっつーと如月サンの方が俺に近づいてんだろ。

貴女『如月さん、その”近付かないで”というのと、高尾君への恋情はどこら辺が結び付いて出来上がったお考え何ですか？』

めっちゃ皮肉ってるじゃんA。
遠回しに頭大丈夫か？って言ってるだろ。
てか、俺への恋情！？初耳なんだけど･･･

如月「･･･だって、白咲さんは強いでしょ？
それに高尾くんのことも、別に好きじゃないんだよね？
ならいいでしょう？私に頂戴！」

貴女『確かに、私は高尾君が好きだから一緒にいるというわけではないです。』

如月「ほら、やっぱり高尾くんのこと嫌いなんだ！ねっ、いいでしょ？美羽に頂戴！！」

如月サンの言葉が俺の心を抉った。
勿論如月サンの豹変ぶりにも驚いたけど、それ以上の衝撃だった。
俺、うっとおしい奴だった？嫌な奴だったのかな･･･

貴女『無理ですね。』

Aは即答。如月サンがなんで、と問う。Aは答えた。

貴女『私は、高尾君が嫌いだなんて一言も言ってません。私は、高尾君が私自身を肯定して、居場所をくれたから友達でいるんです。彼は私の大切な友人です。
そもそも、高尾君は物じゃありません。頂戴だなんて、物扱いしないでください。』

･･･良かった。Aに嫌われてない。
大切な友人、それを聞いただけで心に穴が開いた様な感覚はなくなった。