元社畜は転生して黒バスの世界でモブとして生きたい【黒子のバスケ】 (ページ37)

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34 桜井side ページ37

白咲さんと初めて会ったのは、幼稚園だった

本を読んでいた横顔に惹かれて、思いきって声をかけた

話してからは凄く楽しくて、毎日白咲さんと一緒にいた

でもそれは幼稚園の卒業までで、卒業式以降は会うことがなかった

それが今日、偶然白咲さんに会った

思わず腕をつかんでしまった
この後、どうしよう･･･と考えていると

貴女『･･･桜井君、ですか？』

と、返ってきた

覚えていてくれたんだ

嬉しくて顔が熱くなる
赤くなった顔を隠すように、下を見ながら僕はコクリと頷いた

それからの時間の流れは早かった

ストバスという所に行って、白咲さんとバスケで練習や勝負をした

でも、僕よりも身体の大きな男の人が二人来てボールを取られてしまった

白咲さんのボール！
ど、どうしよう・・・

桜井「か、返してください！」

男の人には、鼻で笑われてしまった

けれど、相変わらず無表情だった白咲さんが、1on1を受けて男の人と勝負した

凄い、と思った
ドリブルは勿論、シュートやディフェンス、オフェンス

髪が風に靡くその姿に綺麗、とも思った

その後は白咲さんの一方的な攻撃により勝利

彼女は男の人の弱点をつらつらと話し、一睨みする

男の人達は顔を青くして帰って行った

僕は白咲さんに声をかけてから、ずっと言いたかった事を彼女に言った

桜井「あ、白咲さん・・・

Aさんって呼んでも良いですか？」

貴女『あ、はい。どうぞ。』

断られなくて良かった・・・
僕は嬉しくて笑った

そんな僕につられる様に、"Aさん"も
ふっ、と微かに笑った

綺麗で、強くて、優しい

僕の初恋の人