18.洋服の話 ページ20
最近は悪夢を見る頻度が減っていた。人から絡まれることがなくなっただけ。でも私にとって、それは学校生活での悩みの種だった。風紀委員のおかげと言えばそうなのかもしれない。
リビングに降りると、机の上に箱が置いてあった。宛先は私。おばあちゃんが受け取ってくれていたんだろうか。昨日はひたすら部屋で銃について調べていたから、起きたらお礼言っておかないと。
箱の中身は想像通り、洋服だった。恐らく、昨日話していた指定服。まさかこんなに早く届くとは思ってなかったけど。袋から取り出すと、それはまぁ可愛いセーラー服だった。男子が学ランなんだから、まぁ当然と言えば当然か。
｢これ、クリーニングに出した方が……ん？｣
ダンボールの中に紙が入っていた。そこには、開封直後のクリーニングは不要、とのこと。確かに新品特有の匂いもない。それなら着ていっても問題ないだろう。今日から仕事があるらしいし、こっちの方が身が引き締まる。気がする。
黒地に赤いリボン。よくあるタイプのセーラー服だった。ただ、私の髪も黒っぽいからその見た目はまるで幽霊。せめて前髪くらいは目にかからないよう切った方がいいのかもしれない。
……美容院、怖い。
やっぱり今度にしよう。おばあちゃんの分の朝食をタッパーに入れてから家を出た。なんだか、今までと違う制服と言うだけでワクワクする。二度目の新入生気分だった。まだ入学して一年も経ってないのに、ブレザーが着れなくなるのは残念だけど。
学校へは相変わらず裏門から入っていた。みんな正門から登校してるけど、実は裏門も使っていいことになっている。まぁ、わざわざ回り道してまで裏門を使う人は私くらいだ。
教室にスクールバッグを置いて応接室へ向かう。バッグに銃を入れっぱなしだけど、かなり奥底に隠したから問題ない、はず。……それにしても、わざわざ朝から呼ばれた理由がよく分からない。昨日と同じようにノックして入った。
｢あ、お、おはようございます。雲雀さん｣
｢おはよう。服に問題は無いね｣
｢は、はい！それで、私はなぜ……｣
雲雀さんが机を指さす。ソファの前にある机の上には赤い腕章が置かれていた。着けろ、ということだろうか。手を伸ばして、左腕にそれをつける。急に風紀委員だという実感が湧いてきて、嬉しかった。
｢無くしたら即やめさせるから｣
｢はい！き、気をつけます！｣
委員会に入ったのは初めてだ。やることはアレだけど、でもやっぱり嬉しい。
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まどろみ(プロフ) - 凛さん» ご指摘ありがとうございます！すぐ修正しておきます！ (2019年3月11日 22時) (
レス) id: 2cd0a82a72 (このIDを非表示/違反報告)
凛 - こんばんは！雲雀さんの口癖は噛みじゃなく咬みですよー (2019年3月11日 22時) (レス) id: 6bfe22f21c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まどろみ | 作成日時：2019年3月10日 22時
