19.意思の話 ページ21
セーラー服と、腕には腕章。誰が見ても風紀委員だと分かる格好に、いよいよ目すら合わせてくれない。対人恐怖症のせいで人と喋ったり、人前に立ったりするのは苦手だけど、でも人が嫌いなのかと言われるとそうでもなかった。
寂しくないと言えば嘘になる。でも、元々周りに人なんていなかったんだ。避けられる度合いが変わった程度に思っておこう。……私も、雲雀さんみたいに強くなれたらいいな。
｢リボーン！お前また変なとこから！｣
リボーン？
振り返ると、男子生徒とリボーンさんがいた。こんなところで何してるんだろう。もしかして、家庭教師って、あの男の子の？
｢あの、リボーンさん｣
｢ひぃっ！風紀委員の！｣
｢ちゃおっス、三峰。どうかしたのか？｣
露骨に怯えた彼は、私とリボーンさんが知り合いだと分かるやいなやリボーンさんを問い詰める。しかし当のリボーンさんは優雅に珈琲を飲んでいて、私の方から説明した。
｢その、あの。私とリボーンさんは、知り合い？というか、そういう｣
｢え、じゃあ三峰さんもマフィアなの！？｣
｢マフィア！？｣
いきなり出てきたマフィアという単語に驚愕する。一体何をどう聞いたらそうなるんだ。というか、サラッと私の名前を。
｢あ、改めまして、三峰Aで、す。その、喋るのは苦手なので、すみません……｣
｢お、俺は沢田綱吉。マフィアじゃないってことは、まさかヒットマンとか｣
｢おいツナ。こいつはただの一般人だぞ。まだな｣
｢｢まだって！？｣｣
私と沢田さんの声が重なる。さっきからこの人達の会話についていけないけど、なんか不穏なワードが飛び交ってるから怖い。昨日銃を渡されたばっかりだから、なお怖い。
沢田さんが｢コイツの言葉は無視していいから｣と言ってくれるけど、いやもう拳銃もらってますとは言えなかった。
｢三峰は雲雀の部下だからな。もうファミリーの一員みたいなもんだ｣
｢……よく、分かりませんけど。でも……こんな私を一員と言って下さって、ありがとうございます｣
授業が始まるし、それだけ言ってその場を離れた。リボーンさんや沢田さんの関係はよく分からない。それに、マフィアとかファミリーとかも。ただ、誰の役にも立てなかった私が、もし何か役に立てるなら……
私は、自分の精一杯を尽くしたいと思う。
それでも、昔は何度も怒られたけど。努力に努力を重ねて、今度こそ見捨てられないように。置いていかれないように、頑張るんだ。
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まどろみ(プロフ) - 凛さん» ご指摘ありがとうございます！すぐ修正しておきます！ (2019年3月11日 22時) (
レス) id: 2cd0a82a72 (このIDを非表示/違反報告)
凛 - こんばんは！雲雀さんの口癖は噛みじゃなく咬みですよー (2019年3月11日 22時) (レス) id: 6bfe22f21c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まどろみ | 作成日時：2019年3月10日 22時
