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暫く経って漸く落ち着いた。
それと同時に赤司は身体を離し、ベッドから降りる。
それに合わせて黄瀬も少し下がった。
私も上半身を起こした。
「澪さん。」
『てつくん…。』
いつの間にか、近くに黒子がいた。
「すみません…。僕が目を離したから…。僕が澪さんを傷付けたも同然だ…。」
黒子は唇を噛み、悔しそうにそう言う。
「そうだな。全てお前が悪いとは言わないが、一瞬でも澪を1人にさせるのは愚行としか言えない。」
赤司はそんな黒子に冷ややかとそう言った。
本当にすみません、と黒子は腰を折って深く謝った。
『違う…違うよ。私が、周りを見てなかったから…。てつくんは悪くない…!』
私はそんな黒子を見てまた涙が浮かんだ。
赤司はそんな私を見つめ、悩ましげな表情をする。
「黒子っちも悪かったかもしれないけど、2人で行かせた俺らも悪い。澪っちを守るなら、1人じゃ足りない。」
黄瀬は静かにそう言った。
「あぁ。最もだ。二度とこんな事が起きないようにしなければならない。」
どんな手を使ってでも。
赤司は厳しくそう言い放つ。
それに同意するように、黄瀬と黒子は頷いた。
「はい。絶対に澪さんを守り抜く。」
「命にかえてでも、ね。」
私は目を見張った。
重く、心臓に刻み込むようにそう言う彼ら。
暗く、冷たい眼差し。
どこか、様子が、いつもと…。
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作者名:ぽるしぇ | 作成日時:2021年2月20日 22時