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シリウスは、そんな2人の様子を紅茶を飲みながら黙って見ていた。

やがて、紅茶のカップをテーブルに置くと、静かに言った。

『…A』

Aとルーピンは、シリウスの方を見た。

『ん、何?』

「実はここに来る前に…ダンブルドアと話した。そこで…お前に関する事を全て聞いた」

ルーピンは、驚くAの肩にポン、と手を置いた。
シリウスは続けた。

「…お前がどうやってこちらに来たのか。そして、何故来たのか…」

『そっか…私、昔、2人には自分が何者なのかとは話したけど、もう一度こちらへ来た事とかはあまり詳しく話してなかったね』

Aは困った様に微笑んだ。

シリウスは更に続けた。

「…もう、一生こちらで生きていくつもりなのか?」

シリウスの灰色の瞳が、真っ直ぐと自分を捉える。
肩に置かれたルーピンの手に、心なしか力が込められた気がした。

Aは頷くと、ポツリと言った。

『うん…もう、戻らないと決めたよ』

そう言えば、2人は喜ぶと思ったのだが、彼らの表情は固かった。


しばらく沈黙が続く。


やがて、今度はルーピンが口を開いた。

「…A、君は今、とても危険な状況に置かれているのを知っているね?」

『…校長もそう言っていたけど、詳しく知らないんだ。何故なの?』

そう言うと、彼らは顔を見合わせた。
ルーピンが続けて言った。

「ダンブルドアが何故そこを話さなかったのかわからないが…どうやら、闇の帝王が君の存在に興味を持ってしまったらしい」

『え…』


ー何で私?いつ知られたの?


自分がヴォルデモートと接点があるとは思えないが、今、やっとわかった。
何故ホグワーツを離れなければならなかったのか。


Aは黙り込んだ。

すると、シリウスが口を開いた。

「…イースター休暇に私の家に来た時に言った事…覚えてるか?」

『…うん。ずっとここで暮らさないか?って』

シリウスは頷く。
しかしすぐ立ち上がると、Aの目の前に歩いて来て、座った。
そして彼女と視線を合わせた。


「…お前にとって、最も良い方法は元の世界へ戻る事だ。危険が待ち受ける場所で生きるより、平和に生きていく方が良い」

シリウスは続けた。

「…しかし、お前の気持ちを聞きたい。本音を聞かせてくれないか?」

『私の気持ち…』

Aはポツリと言った。

シリウスもルーピンも、彼女をジッと見つめている。








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作品ジャンル:恋愛
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piyo(プロフ) - 絢姫さん» 絢姫様、コメントありがとうございます(^^)とっても嬉しいお言葉…!精進します。これからもよろしくお願いします! (2019年11月23日 22時) (レス) id: 1647fc4bda (このIDを非表示/違反報告)
絢姫 - とても面白いです! 久々に時間を無視して読みました!これからも、応援します! (2019年11月23日 16時) (レス) id: df8558907b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:piyo | 作成日時:2019年11月16日 22時

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