PARACAGE 9th【ars】 (ページ5)

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285.色んな話。ページ5

四人が先に座ってたから、空いてる席に座る。
潤くん、翔さん、ニノくんが並んでるから、私は智くんの隣に座ってその横に雅紀くん。

翔さんに倣って手を合わせ、食事が始まる。
ニノくんがお味噌汁を飲んで「ねぇA。卵、固ゆでにしちゃったの？」って、ちょっと口を尖らせた。

「相葉ちゃんがポクポク好きなんだから仕方無いよ」
「えっ！？」
「ね？」

隣の智くんが私を見て、ふふーって笑う。
慌てて言い訳しようと思ったんだけど、雅紀くんに「ありがと」って言われちゃったから何も言わずにペコっと頭を下げた。

...やっぱり智くんには全部バレてる。
お味噌汁の卵、雅紀くんがポクポク好きって言ったの可愛くってずーっと忘れられなかったし彼のお味噌汁作る時は絶対に固ゆでにしてた。

「オレは半熟が良かったなー」
「作って貰ってるんだから文句言わず、黙って食え」

翔さんに窘められたニノくんが「はーい」って応えて、お味噌汁をズズズー。

食事をしながら、色んな話をした。
話の中心は、もちろん雅紀くん。
ロンドンでの事を、色々と。食べ物がちょっと合わなくって辛かったとか。
だから和食が嬉しいって、白米をほっぺたいっぱいにして食べてる。

仕事についてはスマホで写真を見せながら「こんな場所で撮影した」とか「この服買い取った」とか、その程度。
「ちょっと服買い過ぎてあっちから送ったから、近々届くと思う」って、嬉しそう。
きっと本当に楽しかったんだと思う。...そんな顔。

「お土産も買って来たから、後で持って来るね」
「なぁ雅紀」

ずっと喋って無かった潤くんが、口を開いた。

「インタビューは、どうだったの？」

皆から笑顔が消えたのを感じた。
それは、雅紀くんからも。

「うん、滞りなく」

でも彼はすぐに微笑み、潤くんに返す。

「へぇ。滞りなく...ね」
「...何？潤ちゃん」
「こっちは何か色々と燻ってたけど」
「え？」
「お前さ、やっぱズルいわ」

「潤...」と、翔さんが潤くんの肩を掴んだけど彼は構わず雅紀くんをジっと見た。

「誰にもバレないって、思ってた？」
「...何...」
「隠してたのは優しさ？それとも、やましいから？その秘密って、誰の為なわけ」
「......」

雅紀くんが私を見る。

「答えによっては、俺はお前を軽蔑するけど」

ヒンヤリと落ちた潤くんの言葉。

雅紀くんは私を見てた目を、潤くんの方へと向けた。