失楽のウンディーネ 6【イナイレ】

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ああ、正式にはJanne3はローマ数字だったか。


アラビア数字の方が楽なのでずっとそっちで書いてた、気付かないうちに癖になっていた様だ。


恥をかかないようにしないと。


〈気にしなくていいよ。


新人か、覚えることは多いだろうが頑張れよ。


それから江崎支部長、例のこちらの依頼に関してですが、近々動きそうです。日本支部には全面的にバックアップをお願いしたく〉


〈恐縮です〉


〈分かってる、報告もしているのでそこは安心して欲しい、有栖川、危険だろうが健闘を祈るよ。


では今回の処遇については有栖川支部長に一任、日本支部はバックアップをとるということで。


意見ある者は？〉


〈相違ありません〉


〈こちらもです〉


〈なしです〉


〈同じく〉


〈こちらも〉


しばらく同じような内容が続く、余談だがこのグループはアメリカ支部と日本支部の合同チャットだ。


まあアメリカ支部、と言っても正直名ばかりなのだが。


支部長である私が日本人であること、江崎さんと仲がいいこともあり、連絡手段がこちらの方が楽との事で、現アメリカ支部長たる私と日本支部の皆さんのグループが作られた。


上記と同じような内容が私と江崎さんを引いた人数分出ると、では解散、と彼に促される、既読して退出。


仕事が終わると窓から入る夜風がとても気持ちいい、ブルーライトを閉じるとぬうっと欠伸をする。


潮と宿の木の匂い。


大学院へのレポートは提出したのであとは評価次第だ、内容と共に博士(professor)からまあまあな評価が帰ってくることだろう。


スモーキークォーツに近い色味のそれを口に含むと咥内で若干ジャスミンにも似た独特の風味が広がる。


窓際、海を眺めながら楽しんでいると、不意に隣に誰かが座った。


振り返ると桜色、いつぞや助けてくれた綱海である。

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